さらに進むと、洞の内壁はまるで消化管のヒダのように何かにまとわりついている。
まとわりついているものは溶けかけた巨大な人工物に見えるのだが、ボロボロすぎて何物なのかがわからない。


藤島 花音

なんでしょう? これ……。


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

……もしかして、旅客機?


イライジャ・ミラー

墜落したニュージーランド航空か!


藤島 花音

でも、どうして山の中に飛行機があるんでしょうか?


イライジャ・ミラー

落ちた先にちょうど洞があったんだろう。壁をぶち破って中に入り込んだんじゃねぇか?


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

やっぱり、この山からは酸性の液か何かが出ているようね。


シキ KP

キミたちの予想通り、この人工物はニュージーランド航空の旅客機です。外側はボロボロだけど、中に入ることは出来そうです。


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

中を調べてみましょう。


イライジャ・ミラー

そうだな、何か使えるものがあるかもしれねぇ。


藤島 花音

私も行きます!


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

辿ちゃんとコージーちゃんは?


白峰 辿

俺はここにいる。


コージー・オスコー

なら、俺も外で待つ。出来るだけ早くしろよ。


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

分かったわ。



旅客機の中で、キミたちは無数の溶けた遺体を見つける。

旅客機はボロボロで消化されかかっているが、積載物を漁ることができそうだ。
金属物、およびタンパク質性のものは溶解しているが、この液体は布類などは溶かさぬようである。
遺体も、 骨と衣類だけはしっかりと残っている。


シキ KP

中に入った3人は目星を振ってください。


ダイスロール

サルヴァトーレ
目星
(1D100<=60)
33
成功


ダイスロール

藤島 花音
目星
(1D100<=70)
16
成功


ダイスロール

イライジャ・ミラー
目星
(1D100<=55)
43
成功



3人は人数分のパラシュートを見つける。
そして洞の先には、おそらく飛行機が突っ込んだのであろうと思われる、洞窟の出口を見つける。
出口の向こうは、垂直に切れ落ちた断崖絶壁だ。


フユ

跳べってことか……。


ハル

カノンたちはそれで降りられるかもだけど、梓ちゃんとK2はどうなるんだろ?


アキ

無線で連絡してみましょう!


シキ KP

その前に待機組の描写するね!


コージー・オスコー

お前、大丈夫かよ?


白峰 辿

大丈夫だ……多分。


コージー・オスコー

多分ってなんだよ?


白峰 辿

……お前、気づいたか? この山がなんなのか。


コージー・オスコー

生き物だって言いたいんだろ? あいつらは気づいてなさそうだから、黙ってたんだ。


白峰 辿

それでいい、知らない方がいいこともあるさ。だが……早くここから出ないと。腹の中に餌が入って来たと気づかれたら、消化される。


コージー・オスコー

……あ。


白峰 辿

なんだよ?


コージー・オスコー

生き物なら、食ったもんは排泄するってことだろ? だったら、下で見た第一次登山隊の遺体は……。


白峰 辿

おいやめろ、汚物扱いは失礼だぞ。



辿とコージーは、この山が生き物であることに気づいてしまった。
この洞は山の消化器官であり、壁の粘液は消化液だ。
しかし、消化器官があるということは、排泄口もあるはずである。

そう思い至った2人は、この洞が、更に先まで続いていることに気付く。


ナツ

いや、消化器官の中歩いてお尻から出るのも怖すぎるw


フユ

言いかたw


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

辿ちゃん、コージーちゃん。


コージー・オスコー

やっと戻ってきたか。


イライジャ・ミラー

コイツはニュージーランド航空で間違いねぇ。乗客はみんな溶けちまってるがな。


藤島 花音

骨と衣服だけ残ってたんです……。


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

あとはパラシュートね。


フユ

人数ぶんのパラシュートを地面に置く。


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

これを使えば、あの穴から飛べるかもしれないわ。


白峰 辿

正気か?


コージー・オスコー

パラシュートなんか使ったこともないぞ……。


藤島 花音

私もです……。


イライジャ・ミラー

ま、なんとかなんだろ! ぶっつけ本番でも案外やれるもんだぜ?


コージー・オスコー

ほんっとに楽観的だよな、おっさん……。


イライジャ・ミラー

それが取り柄だからな!


フユ

トランシーバー使ってみる。


シキ KP

なら、トトさんは幸運振ってください!


ダイスロール

サルヴァトーレ
幸運
(1D100<=65)
40
成功


シキ KP

トランシーバーが繋がりました。


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

梓ちゃん、聞こえる? 返事をして!


穂高 梓

良かった、無事だったのね……! あの通信の後、急にすごい吹雪になったから心配していたの。


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

こちらは今、洞窟の中に避難しているわ。そっちは大丈夫なの?


穂高 梓

駄目……。このままじゃ、動けそうにない。K2を連れて無理矢理下山しようとも思ったのだけど、この天候じゃ……。


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

そう……。そうよね……。


フユ

マジか……。


穂高 梓

聞いて。あなた達が頂上に向かう間に、救助要請をしておいたの。麓まで降りることが出来れば、救助隊と合流出来るはずよ。もしも降りられると判断したなら、私たちのことは置いて、あなたたち5人で下山して。


藤島 花音

そんな! それじゃ梓さんたちは……!


穂高 梓

大丈夫、諦めたわけじゃないから。少しでもチャンスがあれば、私たちも下山を始めるわ。


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

2人は今、7,000m地点のキャンプにいるのよね?


穂高 梓

えぇ。


シキ KP

では、ここでザザッと通信が乱れます。


穂高 梓

一応、伝えておくわ。あなたたちと、山……登、たこと……に楽し……わ。本、に、おめで……。


シキ KP

ここで通信は途切れました。


ハル

待って、このままパラシュートで降りたら助けられないってこと?


アキ

狙って7,000mに降りることって無理ですよね……?


シキ KP

そうだねぇ。みんな初めてパラシュート使うでしょ? 天候も良くないし、狙って降りるのは難しいかも。


ナツ

パラシュートってどの技能使うの?


シキ KP

跳躍! なんだけど、パラシュートで降りるならその後にも色々判定がある。


白峰 辿

みんな、ちょっといいか? この洞なんだが、まだ先があるんだ。


藤島 花音

そうなんですか?


コージー・オスコー

そうなんだよ。そんでもってこの洞が、7,000mにあった第一次登山隊の遺体がある場所に繋がってる可能性がある。


イライジャ・ミラー

なんでそんなことが分かるんだ?


コージー・オスコー

それは……勘だよ、勘! 登山家としてのな!


白峰 辿

コージー……。


ナツ

どうする? パラシュートで降りるか、洞窟を歩くか。


フユ

どこに降りるかにもよるけど、7,000mまで辿り着けるか?


ハル

分かんない……。けど、梓ちゃんにもK2にも死んでほしくないよー。


アキ

KP! どっちの方が生存率高いか、少しだけヒントください!!


シキ KP

しょうがないにゃあ……。パラシュートで降りても洞窟を進んでも、どっちもロストの可能性はあるよ。それとどっちを選んでも、一応梓たちを助けに行くことは可能です。助けられるかはダイスの女神次第だけどね。


フユ

だったらパラシュートで降りたい。洞窟が繋がってる保証がないし。


ナツ

洞窟ルートは大腸小腸ってことだから、最悪溶かされそうな気がするんだよね……。パラシュートも上手く開けなくて墜落死とかありそうだけどw


アキ

じゃあパラシュートで降りて、それから梓ちゃんとK2を助けに行くルートにしますか?


ハル

そうだね。


ナツ

当たって砕けろだ!


フユ

縁起でもねぇw



5人はパラシュートを背負って、洞に出来た穴へと近づく。
穴の外はガスが立ち込めていて、視界が悪い。

しかし、何故だろうか? 山から逃げる……背を向けることを、登山家としての本能が拒んでいる。


ハル

えっ。


シキ KP

キミたちは山に恐怖すると同時に、山に魅入られている。ではここで狂気山脈の技能、チャームが発動します。全員SANチェックです。


ナツ

あああ……。


シキ KP

辿くんは精神分析で一時的に正気に戻ってる状態だから、判定なしでSANチェックしてね。SANチェックに失敗して、3以上減少したら発狂だよ!


ダイスロール

サルヴァトーレ
SANチェック
(1D100<=57)
81
失敗


ダイスロール

藤島 花音
SANチェック
(1D100<=34)
95
失敗


ダイスロール

イライジャ・ミラー
SANチェック
(1D100<=57)
86
失敗


ダイスロール

コージー・オスコー
SANチェック
(1D100<=22)
89
失敗


フユ

ここに来て全員失敗……。


シキ KP

1d6振ってください。


ダイスロール

サルヴァトーレ
SANチェック
(1d6)
4


ダイスロール

白峰 辿
SANチェック
(1d6)
2


ダイスロール

藤島 花音
SANチェック
(1d6)
2


ダイスロール

イライジャ・ミラー
SANチェック
(1d6)
3


ダイスロール

コージー・オスコー
SANチェック
(1d6)
4


シキ KP

辿くんは耐えたけどコージーは不定です!


ナツ

やめちくりー。



サルヴァトーレ
SAN57→53

白峰 辿
SAN58→56

藤島 カノン
SAN34→32

イライジャ・ミラー
SAN57→54

コージー・オスコー
SAN22→18


シキ KP

コージーがふらふらと歩き出します。


コージー・オスコー

山頂……山頂に戻らないと……。



キミたちは、手記に書かれた一文を思い出す。
何故か、この山を降りることが出来ない。山頂から目を離すことが出来ない。という一文を。


ナツ

蛍もチャームで死んだのか……。


シキ KP

正直、コージーはあの低いSAN値でよく耐えたよ。


ハル

それは思う……。


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

コージーちゃん、何言ってるの? 今は非常事態なのよ?


藤島 花音

そうですよ! 早く降りて梓さんたちを助けないと……。


フユ

精神分析振るぜ。


ダイスロール

サルヴァトーレ
精神分析
(1D100<=35)
92
失敗


フユ

ダメか……。


コージー・オスコー

俺はここに残る。降りるならお前たちだけで行け。


白峰 辿

出来るかよ、そんなこと……。この山に2人も食わせてたまるか!


ナツ

KP、こぶし振らせて!


シキ KP

殴って正気に戻すやつねw じゃあ初期値……こぶし50で振ってください。


ナツ

正気に戻ってくれ!!


ダイスロール

白峰 辿
こぶし
(1D100<=50)
16
成功


ハル

当たった!


シキ KP

じゃあダメージロール1d3と……辿くんダメボは?


ナツ

……1d4。


アキ


フユ

ワンチャンショックロールw


ナツ

違うんだ! 殴りたくて殴ったわけじゃないんだ! 加減はしたよ、きっと!


ダイスロール

白峰 辿
(1D3+1D4)
6


フユ

ほぼほぼ全力でぶん殴ってんじゃねぇかw


シキ KP

コージーはショックロールをします。


ナツ

ごめんコージー、やりすぎた!


ダイスロール

コージー・オスコー
ショックロール
(1D100<=55)
11
スペシャル


シキ KP

耐えた!



コージー・オスコー
HP10→4


シキ KP

殴られた衝撃でコージーが倒れ込みます。


白峰 辿

言ったよな、俺はお前を連れて帰る! 生きて帰らなきゃ意味がないんだ。結果だけ残して死ぬなんて、許さないからな!


コージー・オスコー

……悪い、目ぇ覚めたわ。


白峰 辿

本当か? また山頂に向かうなんて言い出したら、もう一発お見舞いするからな。


コージー・オスコー

言わねぇよ! ったく、思いっきりぶん殴りやがって……。


白峰 辿

その点に関しては悪いと思っている。


イライジャ・ミラー

とりあえず手当てだけすっから、大人しくしてろよ。


ダイスロール

イライジャ・ミラー
応急手当
(1D100<=65)
11
スペシャル

1d3
2



コージー・オスコー
HP4→6


藤島 花音

あの……やっぱり、この山ってなんだかおかしいですよね?


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

そうね。さっきの辿ちゃんといい、コージーちゃんといい……。途中で見かけた化石も、手記に書かれた未知の生物も。私たちの理解の範疇から外れた物だわ。


白峰 辿

第一次登山隊隊長の、最後の言葉の通りだな。


イライジャ・ミラー

ここは狂気の山脈だ。来てはならない場所だ……か。


藤島 花音

私、この山の記録を下に持ち帰って大丈夫でしょうか?


白峰 辿

……分からん。その写真があれば、世界が動くだろう。俺たちに続けと、第三次、第四次の登山隊が発足される可能性もある。


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

メディアも黙ってはいないでしょうね。私たちに対してもだけど、この山にも世間の目は向くでしょう。


藤島 花音

この山にはもう、誰も入らない方がいいと思うんです。


イライジャ・ミラー

だけど、その写真がないと俺たちの登頂は証明出来なくなるぜ?


藤島 花音

それは、そうなんですけど……。


白峰 辿

持って帰っても、帰らなくても。遅かれ早かれ人は来るさ。俺たち以外にも、登りたがっているヤツは5万といるだろうしな。


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

仕方がないわよ、登山家だもの。登りたいなら誰が止めても登るわ。


イライジャ・ミラー

そうそ、だから嬢ちゃんが気にする必要なんかないぜ?


藤島 花音

はい……。


シキ KP

では、パラシュートで下に降りる時間です。順番に跳躍振りましょうか!


フユ

ここまで来て死にたくねぇな……。


ハル

みんなで生きて帰ろうね!


イライジャ・ミラー

みんな、心の準備はいいか?


白峰 辿

あぁ……。


藤島 花音

だ、大丈夫です!


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

もちろんよ。


コージー・オスコー

おう、腹は決めた。


イライジャ・ミラー

それじゃ、俺から行かせてもらうぜ。お前ら、上手くやれよ!


ダイスロール

イライジャ・ミラー
跳躍
(1D100<=65)
29
成功


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

それじゃ、次は私ね。みんな、下で会いましょう!


ダイスロール

サルヴァトーレ
跳躍
(1D100<=80)
55
成功


藤島 花音

トトさんもイーライさんもすごいなぁ……。私も頑張らないと!


ダイスロール

藤島 花音
跳躍
(1D100<=65)
44
成功


藤島 花音

あ、そうだ! 飛行機の写真!


ダイスロール

藤島 花音
写真術
(1D100<=77)
57
成功


ハル

花音は急いで飛行機の写真を撮って、それから出口に向かって走ります!


藤島 花音

辿さん、コージーさん! お先に失礼しまーす!


コージー・オスコー

本っ当に、騒がしいやつだな……。


白峰 辿

花音らしいよ。


ナツ

苦笑いします。


白峰 辿

コージー、お前先に行け。


シキ KP

コージーが、ジッと辿くんの顔を見ます。


白峰 辿

なんだよ?


コージー・オスコー

1人でここに残る気じゃないよな?


白峰 辿

驚いた、どうして分かったんだ?


コージー・オスコー

おい!


白峰 辿

冗談だ、ちゃんと降りる。さっきのお前を見たら、最後に残すのが不安になった。


コージー・オスコー

俺は今の冗談で不安になったぞ……。


シキ KP

コージーがため息をつきました。


ナツ

じゃあ、それ見て笑うよ。


コージー・オスコー

本当に、大丈夫なんだな?


白峰 辿

あぁ、任せろ。


コージー・オスコー

降りて来なきゃ、探しに行くからな。


白峰 辿

分かった。


コージー・オスコー

……ここを降りたら、どっか新しい山に連れて行けよ。


白峰 辿

それは構わないが……どこの山がいいんだ?


コージー・オスコー

別に、どこでもいい。エベレストでも、アンナプルナでも、日本の山でも。


白峰 辿

なら、お前でも登れそうな山を考えておく。


シキ KP

コージーは何か言いたげに辿くんを見ますが、何も言わずに前を見据えます。


ダイスロール

コージー・オスコー
跳躍
(1D100<=55)
1
決定的成功


コージー・オスコー

じゃあ、先行く。


ナツ

辿は後ろを振り返ります。


白峰 辿

そういうわけだ、俺はもう行く。


voice-1371>白峰 辿
跳躍
(1D100<=70)
88
失敗
白峰 辿

さよならだ、蛍。


ナツ

辿も飛び降りました。


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