続き

二人の誕生日当日、教室は朝から各々可愛いラッピングに包まれたプレゼントを持って双子のところへ我先にと向かう女の子で溢れていた。

そりゃ今まで受け取っていなかった彼らが公にプレゼントを受け取ると言いだしたのだから当然の結果なのだけれど。

皆プレゼントを渡すだけでなく告白もしようと順番待ちをしていて、二人のいるクラスはてんやわんやだった。

「名前は渡さないの?」

その様子を遠巻きに見ていた角名にそう聞かれ、一瞬私の気持ちがバレたかと焦ったけれど、多分この質問に他意はない。

「今年は私のプレゼントはいらへんって断られたからな」

私のこたえに驚いた表情を見せた角名だったけれど、少し考えた後「不器用すぎ」と面白いと言わんばかりに肩を震わせた。

「なにそれ、どういうこと?」

「本命じゃないならいらないってことでしょ」

「だからあげないんやけど?」

「オッホホ、鈍いにも程がある」

角名はそれ以上は何を聞いてもこたえてくれず「俺が言っても意味ないから」とそのままフラリと教室の外へ出てしまった。

これは自惚れていいのだろうか。

チームメイトとして近くにいる角名がそう言うのであれば、もしかしてがあるのかもしれない。

他の女の子が勇気を出しているのに、何もしないで不貞腐れてるなんてらしくなかったかもしれない。

彼らの部活が終わるまでに片方には今までとは違いどちらにあげてもいいプレゼントではなく、ちゃんとその人のために選んだものを渡してみよう。

6限のチャイムが鳴り、帰りのHRが終わると同時に教室を出た。

いつもとは違うバスに乗り、地元のショッピングモールへと急ぐ。

部活が終わるまでのあと数時間、なるべく多くの店を周ってプレゼントを選びたい。

去年からの一年間、なにか欲しいと言っていたものがあったっけ。

記憶を必死に手繰り寄せてみるけれど、欲しいと明確に言っていたものが思い出せない。

時たま冗談で言うアホみたいに値段の張るものは欲しいと言うことはあっても、私の手の届く範囲のものを言っているのを聞いたことがない気がする。

今まであげていたスポーツタオルやバレー用品は、今日他の女の子から貰ったプレゼントで賄えるだろう。

じゃあ、私はなにをあげればいいんだろうか。

そんなことを思いながら歩いて探したけれどこれというものも思いつかず、今日受け取ったであろうプレゼントの山を思い出してため息がでる。

最初の勢いもだんだんとなくなってきて、目的のものも見つからずに憂鬱な気分で歩いていたら、店先に飾られているものが目に入り、その瞬間に「これだ」と思った。

「すみません。これ、プレゼントに買いたいんですけど…」

震える声で店員さんに頼んでプレゼント用に包装してもらい紙袋を受け取ると、もう戻れないことに現実味が増して心臓が早鐘を打つ。

部活が終わるまであと少し、決戦の時はすぐそこまで迫っていた。

丁寧に包装されたプレゼントを受け取り、学校までのバスが出ている乗り場へと駆けたが、果たしてそれは正解なのだろうか。

部活後もどうせ女の子たちの告白大会は終わらないだろうし、確実に二人きりになりたいなら双子が帰った後の方がいいのではなかろうか。

学校へ行く

治の帰宅まで待つ

侑の帰宅まで待つ



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