届かないからその名前がある
夜
と言うよりかは夕暮れが夜に変わるその間頃
何処かで物音がした
それに私と八左は察知し、撒いていた敵だと判断するのに時間はかからなかった
『和さん優さん先に帰って下さい。
私忘れ物しちゃったので』
和「え、それなら私達も」
『だめ』
そう否定するのは久しぶり・・否初めてで
彼は不審がった
その時
「へぇ面白い茶番してんじゃん」
優「きゃぁああ!!」
『っ!?(しまったそっちに気が行ってなかった!!)』
和「優!?」
1人人質を取られ八左と中に仕込んである微塵を手につけようとするのを止める
『その人を離してもらおうか』
「それは無理な話だね。それにもう手遅れだよ」
八左「何!?一体どういうことだ!」
微かに焦げ臭い香りが漂う
そう言えば此処は村から一段と高い位置にあった
『まさか貴様ーー!!!』
「おおっと、こいつがどうなってもいいのか?
密書をおとなしく返してもらおうか」
和「みっ、しょ?」
『ちっ分かった』
八左「おい都佑!」
『こうするしかない!!
優さん、和さんごめんなさい。
変な事に巻き込んでしまって』
そう言うと優さんはそんな事ないよ
と言ってくれた
嬉しいなぁ
巻物を取って見た忍は良いだろうと言って
優さんを離してくれた。よし逃げよう。
逃げちゃおう。ダッシュだ。ゴーだ。
You run away.!※貴方は逃げると言う意味です。
優「で、でも!」
和「逃げよう!恩に着る!!」
『和さん優さん大事にして下さいね』
和「そんな事お前に言われなくても叶えてみせるさ」
優「都佑ちゃん!駄目、そんな」
『優さん。ありがとう。大好き。』
貴方も、あの人も。
きっと此処に捨てて行かねばならないんだろう
今も、そっと見つめている優さんに笑ってあげる
ちゃんと笑えたのか、優さんは泣きそうな顔で頷いてくれた
「おい」
『げ』
密書が偽物だとばれました
おこですね?
「貴様ら、ぶっつぶす」
『にげろおおおおおおおおおおほおおおお』
おこなので逃げましょう。そうしましょう。
八左が敵を撒いている間私は夫婦である優さんと和さんを連れて
山の中腹にある場所に逃げ隠れて来ていた
しかし夜目が効かない彼女らは厳しい話しで
真っ直ぐに迎える処まで送りそのまま消えるだけの手段をとる事にした
本来は殺さなくてはいけないが
そんな事私がしたら私は一生私を許さないだろう
情だろうがなんだろうが、家族だった身なのだ
これだけは譲れない。そう思って首を振って前を見た
『優さん良く聞いて下さい。
此処から数歩歩けばすぐに洞窟があります。
其処は私が昨日来る前に綺麗にした場所です
其処に明日の朝まで入っていてください。
何があっても出てはいけませんよ。』
優「都佑ちゃん貴方も」
『私は忍です。
しかも貴方を2人を別の人と想ってみていました。
もう傍で笑えません。ごめんなさい。酷い事して』
それは間違いだよ
そう優さんが言った
優「最初から私は貴方方が忍だと気付いていました」
それに私は眼を見開いていく
なら何故危険な忍を入れたのだと
和さんも頷いて優しい子らだと思ったから
招き入れたんだと言った
和「お前の見た笑顔は全て
別の人に向けてだと知っていたさ。
私達を見て居なくても、それでも
この顔と仕草が一致しているんだろうと。」
優「貴方が私に見せた笑顔ってどんなのか知ってる?
ずっと泣きそうな顔で笑って私に微笑んでいたのよ?」
『っ、ごめんなさい・・私』
泣きそうな顔になる都佑に
泣かないでと言ってそっと抱き寄せる優に
都佑は頬に温かいを通り越した熱いものが落ちる事に
じわりと温かい気持ちになる
嗚呼、大好きでした。本当に、大好きだったんです。
優「謝らないで。そのご両親はとても嬉しいと思うわ。
なにせ赤の他人にまで想いを馳せて笑ったんだから」
『っ!!・・私の母は優子、父は和也と言います。
名前も文字一つ外しただけで、
髪も癖も全て瓜二つのお二人に
昔のもっと昔の私が入ってしまいました。』
優「やっと見てくれた・・・そう。楽しかった?」
それに私は驚く
だってそこは止めてほしかった等
嫌だったことを言うべきではないのだろうか?
優「あんな嬉しそうな笑顔見せられ続けたら無理よ」
『あの、あ、の・・
お母さん、私を見て嫌そうな顔をしていたんです。
お父さ、んは泣きそうな顔でごめんな。と言って、
こんな、嬉しそうな二人を、見て、いっそ、
いっそのこと、私なんか、居なければって!!』
涙がほろほろと流れ出る
それに和はそんなことないだろう。と言ってくれた
和「お前は十分愛されているんだろうな。
そう想えると言う事はそう言う事だからな。
ほら、前を向いていきなさい。私達の事は忘れなさい」
『っ・・いいえ、私は忘れません。
前を向いて、2人の事も傷にしてまでも
背負い続けていきます』
そうゴシゴシと目を擦って前を見る
すると驚いた顔から困った顔になった
それを見て私はホッとした後
直ぐに八左が戻って来たのに私は頷いた
『では、お世話になりました』
優「頑張って生きてね。私応援しているわ。」
『ありがとう。2人共、ありがとう。
行くぞ、八左』
八左「嗚呼、お世話になりました!」
私達は2人でそのまま追手を撒くように
なるべく速くしかし遅く走る
優さんと和さんが焦らないように
じっと静かに休める様に一人残らず
『(しかしこうも人が多いと)』
八左「都佑!あぶねぇ!!」
そう後ろを振り返った後は遅く
パタタと血飛沫が目の前を通っていった
『八左ヱ門っ!!!』
主人公は泣きそうな気持ちになる
何で庇った、と
足を止めると周りに忍びが囲いだした
嗚呼、やめてよ。
月明かりがぽっと私と八左を照らす
逃げ出すも此処までか
竹谷が負傷した今、私しか居ない
ふと彼女らの笑顔が脳裏によぎる
優しい血の事なんて考える訳もない
あの日の優しい世界
八左「俺は置いて行け。密書持ってくなよ」
『馬鹿、ほんとう馬鹿。いくわけねーじゃん』
でもさ、ちゃんと取らないといけないから
先生の言う事は聞かないといかないんだよ?
そう私は想いながら眼を一瞬閉じ前を見る
大丈夫。独りじゃない。
私はもう一人じゃないんだってば。
八左「・・おい、まて都佑お前なに考えてんだ」
途端に八左の顔から熱が飛んでいく
都佑、と少し焦った声に都佑は大丈夫と繰り返す
『八左、大丈夫。だいじょうぶだよ。』
八左「何がーーおい、まて、ふざけんな。
冗談通じねぇって」
都佑は優に微笑んだあの笑顔で大丈夫と言った
その顔はちゃんと前で見ると
晴れ晴れとした笑顔に
竹谷は止めろと止めるも
走り出した都佑に叫ぶ
(勿論殺そうとした忍びは気絶させた)
その後だった
八左ヱ門が項垂れていた頃
後ろの茂みからガサガサと音がした
八左「馬鹿!俺より馬鹿な事してんじゃ・・っ!?
誰だ!!・・お前は!!」
『はぁ、はぁ、はぁ』
「密書を渡せ」
『はっ、やだね』
『お前らなんかに渡すもんか』
そう言うと五忍程の忍が目の前にかかってくる
ううん!女の子相手にそりゃないでしょう?!
あ、ごめん私今男のフリしてたんだった
しかし私は此処で学園の最初に誓った言葉を思い出す
『(人を傷付けずに忍として生きる)』
自分が傷付けて泣き叫んで生きるのなら
いっそのこと
丁度ここには私しか居ない直ぐに目に見えている最後が見える
私はそのまま彼らに巻物を死んでも渡すもんかと思い
後ろが崖になっている処で気付いた時にはすでに遅く
そのまますっと落下していった
宙に浮いた感じが一瞬で
そのまま落ちていく中忍の一人が何かを言っていた気がするが
私はもう冷静に色々と考える事すら億劫になっていた
かなしい記憶に手を伸ばす
力を入れて真上にある月を掴もうと手を伸ばした
然し虚しい気持ちばかりが胸を貫くばかりで
私はそのまま熱い汗を目の中から外に出すばかりだった
おかあさん、おかあさん
やっと"おともだち"ができたの!
おとうさん、おとうさん
やっと"じしん"がついてまえをみているの!
なのになんでかなぁ
"都佑"はとてもかなしいの
会いたかった
逢いたかった
貴方達と笑って手を繋いで笑っているその時間が
永遠に続いて欲しかったのに
前世でも今世でも叶う時は一瞬だったの
嗚呼、出来る事なら
三人で素直に笑って涙を流して居たかった
その箱庭はもう、風化してしまったのにね
『(私はもう、死んでもいいわ)』
死んでもいいわ=愛しています
崖から落ちてももう大丈夫
だって此処には2人は居ないから
バットエンド並みの暗さに土下座
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