優しい笑顔がとても寂しい
眼が覚めるとそこは私の秘密部屋その三に寝ていた
近くに紙が落ちていたのを拾ってみると
どうやらあの後葵と八雲さんに救出されて
この小屋に隔離してくれたらしい
ありがたや、今は鉢屋達の顔なんて見たくないからね
ある意味恐怖症になりかけている
今も直ぐに思い出す事が出来る
あの蔑んだ眼の冷たい色と感じのことと来たら
『(うう吐き気が)』
自分が一体何をしたというのだろうか?
天女様を攻撃?人間自体攻撃をする事は
数える位しかないのに(威嚇は数知れずあるけれども)
私がそんな苦無で一刺ししようものならしてみたいわ
そう想いながらふと部屋の端っこを見てみる
『・・何かいるんですけどなんですかこの秘密の部屋私以外居ないてか
まずあおちゃんとやぐさん以外に知っている人は居ない筈なんですけど
何で居るのかなあれまって何にも喋る声も息する音も・・?』
しない?だと???
私は幽霊か化け物か何かに化かされているのだろうか?
鉢屋三郎の様に?いやいや、あいつは狐や狸の類でもないわい。
まぁちょっと無くはないかなという噂は立っているが、
そんな事はどうでもいい、ものすごく、どうでもいいんだ。
『えーと?あの、は、初めまして?』
「・・・」
とんでもなく居心地が悪いですまる
それにしても
『何処かで見たような、あれ?黒髪の少女』
向日葵のワンピースにいくつもの傷跡
そこで私の頭は割れる位にズキズキと痛み始めた
ズンズンと心臓の音が頭に響き胸も痛み始めた
『アアアア嗚呼、な、んだ、これ"』
余りにも痛いので両手で何とか押さえてみるも
何だか痛みが増えた気がするおかしいな本当に
すると少女の顔が段々と浮かび上がる
嗚呼、段々と記憶が頭の中に降ってくる
少女が両親?と一緒に歩いている
でも其処は本当に現実にあった出来事??
『だ、れ?、わた、しは』
意識が段々と遠のいていく
折角起きたのに
意識が辛うじて保てる時に居た時だった
少女がかなり上、高音の声で私の耳にこういった
おもいだす
其処から私は気を失った
絡め取った鎖を持て余す
次に目が覚めた時には私の記憶がおかしい事になっていた
いや、確かに正常なんだが、なんだが
何故幼少期が二回もあるんだ?
・・
ふと部屋の隅にいる少女に目を向けた
その少女は真顔でじっとこちらを見つめていた
そこで確信したのだ
この記憶は其処に居る少女のものだと
『私に見せて何がしたいんだか・・・
でもなんでなんだろう』
この記憶を感じている今が一番安心して落ち着いていられる
すっと天女たちの事なんてどうでも良くなって来た
嗚呼、此処に入り浸れるのならしてみたい
『嗚呼、でも駄目だよ私』
この記憶に溺れてしまえばなんか、元に戻れない気がする
私はすぐに準備をしてあおちゃんの元に行く事にした
‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘
葵「お!?都佑じゃん!大丈夫?」
『あ、嗚呼、なんとかな』
身体の痣はもう何ともないし、心の傷も何故か
部屋に居た少女の記憶を見ていて癒された
とは言えず軽くあおちゃんの質問を流して
三郎達の方を見るとジッと此方を見た雷蔵に
私は嫌な気持ちになった
『(あー、嫌われたなぁ・・・・申し訳ないなぁ)』
ん?
『(あれ?何で申し訳ないってなった?)』
ふと口を手で塞ぎ眼を見開いて
今感じた気持ちを整理しようとするも
あやふやな気分に集中が出来ない
まるで感じたままを受け止めろと言われているかのように
その疑問だけが集中して整理が出来なかった
その情景をじっと見ている人がいるとは知らずーーー、
都佑はその後きちんと何事も無かったかのように
授業を終えて委員会も終えて風呂も入って後は
寝るだけだなぁと思っていた時だ
お風呂が少し嫌だなあと思ってしまった
その気持ちにも集中が出来なくなり
恐らく疲れているのだろうとふみ
部屋に帰る
ガラガラと音を立てて部屋に入ったが
『(これは暫く夜逃げした方がいいかもしれないなぁ)』
軽く荒らされていたので直ぐに片づけに入る
授業で使う物とその他日常生活で使う物を全て取り
そのまま部屋を出る
三郎達の殺気が少々と言うよりかは駄々漏れなんだが
しかたがない巻いて逃げてみよう
昔は撒いて逃げるだなんて出来なかったが
今の三郎達はかなり気を読むのが苦手になっている
勿論直ぐに撒いて今日起き上った部屋に入る
其処にはまだ少女が真顔でじっと寝転がっていた
『はぁ、今日は三郎達ががん飛ばしてきたんだよね
ちょっときつかったのは雷蔵だったんだけどね。
申し訳ないって感じたのは君の記憶を少し見たせいだよね?』
そう独り言を並べてみると安心感が沸いてくる
久しぶりの感覚が何故少女を見ながら話すと
楽になるのか良く分からないが、とりあえず
今日みたいにしんどくなって来た時には本当に楽になるから助かる
『あーあ、そう言えば三郎が少し
泣きそうな顔でちらちらと此方を見ていたけど、
ちょっと、あーでもうーん。三郎だからなぁ、
なんか君と居ると、どうでも良くなってきだしたぞ?』
流石に不味いと思った私はすぐに眠りに入る準備をした
何も考えずにそのまま意識を飛ばす様にする
目を開けると少女は此方を見たまま目の色を変えた
色は変わらず真っ黒なのだが、何故だろう
『(どうして、どうしてそんなにも泣きそうな眼をするの)』
良く分からなくなって来た処で
私の頭も思考も停止した
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