眠たそうに笑う
『あーあ、暇(眠い。寝たい。帰りたい。)』
そう考えながら一人も居ない外側の教室の席に座る
ろ組は既に片手で数える位しか人が居ない
鉢屋、不破、竹谷、私、そして二の宮悠と言う子だ
二の宮悠
一応成績は五年の下だが
下の点数は100満点中60点だ
本気で取り掛かると満点はザラの能天気野郎
一応作法委員会にいるらしいが
わたしゃーそんな彼らを別に何とでもない
普通の他人と思いこみながら今日も過ごしていた
そんな噂を考えていると本人が来て私に挨拶をする
一応返したがそれから全く返信がない
それもそうだ。私現在進行形で読書しているのだ。
現代ならもっともっと読みやすい漢字なのに
この時代ミミズがのたくった字ばかりなので
五歳の物心ついた時位から文字を覚えてきて正解だった
今ではすらすらと読める
あ、一応現代文も勉強しているよ
葵と週に二回現代文、英語、数学、と
ある程度の教養を繰り返し頭に叩き繰り返しているのだ
と言うのも話しをしだすと長い事になるのだが
そんな事を考える前に鉢屋達が来て先生もやってきた
私はすぐに本をしまって授業に集中・・・
『(したいんだが)』
どうも昔の、それも転生前の姿を思い出して
そわそわしてならない。
注意されているのだが何となく反抗期だ。聞かない。
『(こういう時は寝ればいいんだろうが
寝るのは転生前の己が怒りそうてか怒る。
かと言って集中が全く出来ない四方に散る)』
こんな事は本当に数える位しか無くて
毎回毎回どう対応していたのか頭になく
久しぶりにうんうんと考えていると
先生にあてられた
「岡本・・・お前今日調子悪いのか?
何時も集中が途切れないお前が
何一年生みたいにきょろきょろしてる。」
『あ、してました?すいません
でも先生、何にもないんですが
今日は物凄く集中しにくいんです。
どうしましょうね?寝ていいですか?』
「宣言されても寝させんぞ。
聞くだけきいておけよ。
じゃあこの問を竹谷!解いてみろ」
竹谷「あ、はい!」
はぁと深いため息をついてそのまま
先生に言われた通りにぼけっとする
瞼は閉じる勢いだが寝るのは嫌だ。
小中高並び大学、そして五年生の今迄
眠った事は両手に数える位しかない。
普通は数えきれないのが相場?
なのだろうが、私は同室の言う通り
本当に教科書を実体化した様な人間なのだ
先生の言う事は聞く
自分の言いたいことは言う
人は傷付けない
時間は守る
覚える
それら教養であるもの全てをい組か!
と突っ込まれる位綺麗にやり遂げるから自分でも怖い
最近は授業を余り聞かずに自主勉をしているだけで
直ぐに頭に入ってくるから驚いている位だ
集中力が切れないと先生に言われたのも驚く成長なのだ。
昔はこんなに良い子過ぎた覚えが
『(あ、あった。あったぞ)』
確か10になったかならなかった位の事だ
母がプロの音楽家でピアノを弾いていたので
それに伴い私もやりだしたんだが、
どうにも上手くいかずに泣いていたんだった
そんな記憶良く覚えているかって?
つくり方は簡単
ただ忘れそうになった
もしくは忘れた頃に思い出して思いふける
それだけだ
そう
『(そのそれだけがどれ程苦痛か)』
でも既に快楽と感じている時点で終わってるんだろう
先生は竹谷達の話に夢中で、私は一段と
ぼけーっとしてしまっていて
そんな私をジッと鉢屋が見ていたとは言われるまで気が付かなかった
鉢屋「岡本、お前何か悩み事があるのか?」
『はぁ!?』
素っ頓狂な声が出た。我ながら。うん。出たね。
そう冷静に何故か分析しながらも
何故鉢屋がそんな事を言うのか聞いてみたら
「クラスの人間の悩みを聞かずして委員長してられるか」だそうだ
いやいやいや
『私の話はいいよ。とんでもなくどうでもいい事でぼけっとしていたから』
鉢屋「そんな事言わずに、何かないのか?」
やけに突っかかってくるな、今日は。
そう少し眉が寄ったのを見たのか「嫌か」と言われて
内心『物凄く嫌だ』と言って外では『ううんどうでもいい』と答えたが
鉢屋「嘘だな。とんでもなく嫌そうだ。」
それにがくっと下半身の特に太ももの力が抜け落ちたのを覚えた
おいおいおい、変装が落ちたか?そんな馬鹿な。
いやでもこの人名人呼ばわりされてる位だからな
人の感情は人一倍敏感だったな。
今迄うわっつらしか見ていないと思っていたら
まさか本当に敏感にみてくれていたとは思わなかった
と言うか懐かれるのもあんまり好きじゃないので来ないで下さい
私一人が好きなんです。楽な方に居させてください。
不破「三郎、岡本嫌っていう顔していたんだったら止めなよ」
鉢屋「いいや、雷蔵。岡本の通り名を知っているか?
"八方美人"だぞ?最近"無欲恬淡"とも言われだした。
ろ組の委員長として岡本の悪口になるような事は避けたい
というかトコトン鍛え直してやる」
とんでもない人に火が付いた気がした
うん、これは
『手っ取り早い方法その一
逃げるが勝ち』
鉢屋「っ!?こら!岡本!!話は終わってないぞ!?!?」
竹谷「それにしても五年生になったとはいえ
まだ俺達にすら素を出してくれないって、
何だか寂しいもんだな・・」
悠「仕方がねぇだろ。
あいつの出身とかもあるだろうし
人間というか同性を信用できない
って言うのも分からなくはない。」
なんせ実の父と兄に捨てられたんだからな
それに雷蔵は顔を歪めた
それは三年になった時、詳しくは都佑が語るだろうが
ふと俺達に『お前らも私の前から消えるんだろう?』と
真顔で、でも何処か酷く泣きそうな顔で言って来たのを今でも覚えている
あの時は誰も何も言えなくて
後々都佑自身が『ごめん』と謝って来たが
それ以来キラキラした眼を拝んだことは、ない。
鉢屋「ったく、世話の焼ける奴だな。
雷蔵、午後の予定に私は抜けるぞ」
雷蔵「え?いいの?三郎今日」
いいんだ。
そう言って三郎は教室から出て都佑を追った
それに何も言わずに雷蔵は自然と三郎の後を追う事に決意した
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