もう迷わない君へ




『えと、あの、その・・』

三郎「何だ都佑、言いたいことはゆっくりでいいからな?」

『鉢屋君!尾浜君をいじめないで!!』


なんだこの可愛い小動物は
思わずプルプルと口を押えて悶える三郎に
都佑はどうしたの?と首を少し傾げて問う

勘「都佑が可愛いって分かったら
もう抱きしめたいんじゃないの?」

『ぴゃあっ!?おおお尾浜君!?』

勘「あ、俺の事は勘ちゃんでいいからね?
ていうか呼ぶまで離れないー!!」


アンダー部分に腕を回す勘右衛門に(胸の下です)
都佑は思わず上ずった声が出る
可愛いとか考えていると勘右衛門に奪われてしまう
そんな気持ちが出たのか三郎はすぐに手裏剣を投げる

勿論勘右衛門は避けてしまう
それに腹を更に立てる三郎



三郎「よーし分かった。勘右衛門、表でろ」

勘「やだねーそうしたら俺死ぬもん」

『ていうか尾浜君が私から抜ければいいんだよ!
ほら離れて!勘「勘ちゃん」尾浜君!勘「勘ちゃん!」
うぐぐ・・』

三郎「勘ちゃんって言わないと無理らしいな
あ、ついでに私の事は三郎って呼んでいいからな」

『う、うん!?うん、わ、分かった
頑張ってみる・・・』


そう意気込んだ後都佑は両手でグーを作り
首をぶんぶか振りながら"か"を連呼する


『えと、えと、か、か、勘!ちゃん・・』

勘「〜〜〜〜〜っ!!!!!」

三郎「やっぱりコロス」

『ええええ!?なんで?!ってしまってる!?
く、くるぢい!!くるぢいって!!』


ちょっとまつ



『はぁ、はぁ、勘、ちゃん恐ろしやぁ・・・・』

勘「男はけだものっていうからね
ていうか何時もの都佑は何処にいったの?」

『え?嗚呼、この小屋だけ"素"を出す様にしているんだ。
何時も出さないで居るとそろそろ忘れそうだったし
それに皆と話すにはこうやって多重人格?しないと気持ちが、ね?』

成程、都佑は只でさえ素を隠して生活をしているのに
天女が来て皆を盗られた上に悪者扱いをされて
傷付いたのでそれを人に晒さない処に隠れて1人
本来の自分を出して何とか生きているらしい


『それにこんな私が出たら即女の子ってわかっちゃうし
気弱でちょっと迷ってたら不破君と間違えられちゃうし』

三郎「まぁまさに雷蔵の女の子バージョンって感じだな。
ついでに言うとそれでは忍に向かないし」

『うっ。だから別の岡本都佑を演じる必要があったんだよ。
私もそっち好きだし色々都合がいいからね』

勘「え?じゃあ何で都佑って此処に来たんだ?」

『それはまた今度かな。ほら、もうすぐで夜が明ける時間になる。
直ぐに寝て、起きて学園に行くか、もしくはもう出ないと』

三郎「今日はもうここで寝るぞ」

『え?!私は良いけどかか、勘ちゃんとさ、三郎君が・・』

三郎「私と勘右衛門は雑魚寝しても構いはしないさ
それと三郎君じゃなくて三郎だ。ほら復唱」






























次の日

都佑は数時間だけだがすぐに目を開けて
眠っている三郎達を見てくすりと笑った

『ありがとう。"私"はこれでまだ生きられるよ。』

そう言って私は確かに居た処を見る

確かに私は忍に向いていない

でもそれは両親という存在に縛られていた私であって

今は特に忍になろうとも思わなくなった

恐らくこれで最期になるのだろう


そう想うと涙が出そうになるが、仕方がない

首を横に振って出そうになった涙を拭こうとする


『ささささぶろう・・君!』

三郎「・・・都佑、その性格は直らないんだよな?」

『あ、えと、えへへ・・・』


直らないらしい
というか直す気力すらないらしい
ため息を押し殺した代りに
頭を手で抱えてしまう


三郎「それはこの小屋だけでなんだよな?」

『お、おう!』

勘「いや、意気込んでもそれなりにもう見えないかな?」

『うう、そんな事言うなよ勘ちゃんや
私これまで頑張ったもん、いける、いけるぞー!』

三郎「何がだよ、てか変なテンションになっているから寝ろ」

勘「うわあああ!!さ、三郎!都佑を手刀で殴るとかおま!!」

三郎「いいんだよ、
こうでもしないと
無理だろこいつ。ほら寝るぞ」



スヤスヤと寝る都佑に一つ溜息を吐きそのまま眠りについた







『大丈夫、もう、だいじょうぶ』


そう言って都佑は1人外に出る


強く見えても繊細な心へ
(あなたは遠くの思い出にならないで)

(1人じゃない私達が居る)
(だけどそれでも私は独りで居なければいけないんだよ)








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