青と赤を操りし者

「えー!私はカリム中隊長!」

「私は烈火中隊長かなあ〜」

「フォイェン中隊長も渋くてかっこいいんだよねえ〜」

キャッキャッと楽しそうに話しているのは同じ隊の女性先輩だ

「ねえ!凛ちゃんは誰がかっこいいと思う?」

『え!!!』

「でも凛ちゃんってカリム中隊長と付き合っているんでしょう?」

「えええ!やっぱりそうなの?!」

「どこまでいったの?!」

1人の質問が何故こうも話が広がるのだ
女子ってすごい。素直にそう思った

『ま、待って下さい!カリム中隊長とはお付き合いしていません』

「えー。嘘つなくていいんだよ?」

否定しても信じて貰えず、何故か期待の目を向けられている

『本当なんです。というかあんな怖い人と付き合うだなんて無理です。毎日命を脅かされているのに……』

「かっこいいと思うけどなあ」

カッコイイとは確かに思う。ただ命を奪われるのはごめんだ
そんな話をしていれば少し遠くに3人の姿が見えた
その姿を見て騒ぎ出す女子
その様子を眺めていた
確かに3人の中ならカリム中隊長が1番整った顔をしているとは思う。
あの目つきと言動さえ直ればもっとモテそうだ
うん、間違いなくそう思う。

「そこの失礼クソチビまた要らないことを考えていただろう?」

気付けばもう目の前にいたカリム中隊長
周りはキャーキャー騒いでいる
私の心の中は黄色い声援ではなく、助けて欲しいの叫びだ

『お、思ってませんよ?』

「何で疑問形なんだ」

『それより、私に何か用事ですか?』

これ以上突っ込まるのは苦しい為、話をすり替えた

「お前の姿が見えたから来ただけだ」

『何ですかそれ……』

その言葉にさらに顔を赤らめる彼女たち
確かに好きな人に言われたらそうなのだろうけど私からすれば信頼している上司でしかないのだ
あとめちゃくちゃ怖い

「そういえばお前、報告書少し間違ってたぞ」

『え!!本当ですか?!』

「何でそんな嘘つかなくちゃいけないんだ」

今日中だ。
そう言えばカリムはその場を後にした
その後は彼女たちから再び質問攻めに合うのであった

Ichirinsou