青と赤を操りし者

「大隊長、よろしいですか?」

僕達の実力を見てもらう為に大隊長に組手の相手をして頂きたいのですが
と。
その言葉にもちろん周りはザワついていた

「君たちの能力は頂いた資料で把握しているからその必要は無い」と烈火が一度断ったがバーンズ大隊長からはまさかの言葉が出た

「構わんよ、烈火、お前も胸を貸してやれ」

『っ!』

その返答にも驚きだが大隊長の言葉に嬉しそうな烈火中隊長にも驚きだ
あぁ、もうまた面倒なことになるなあと思っていれば、私もその組手に参加することになった
大聖堂から場所は変わり、訓練場に移った
組手の順番は隊の番号が若い順番からになり、第2の相手は烈火になった
第2の彼は第三世代能力者らしいが戦闘に対して後ろ向きな性格だ。実家が農家ということが関係しているのかなあと呑気なことを考えていた
そのせいか炎の扱いもそこまで上手くない
なのに煽るような言葉をかけ続ける烈火

「いいぞ!一つ一つがジャガーノートだ!!!」

何だ!一つ一つがジャガーノートって!
そんなツッコミを心の中でしていた

「あいつは今日も熱いな」

「あれ、どうするんですか」

「流れ弾は俺と凛で何とかする」

『え!!なんで私も!!』

「頼むぞ」

『……はい、、、』


上から大隊長、フォイェン、カリムと2人の様子を見ながら話していた。みんな思うことは同じなのか
烈火=熱い男だった
そして何故か流れ弾の処理を私にも任された
はぁ、と思いながら戦闘の様子を見ていれば直ぐに出番が来た
理由は簡単だ

「いいぜ!その調子だ!」とか言いながら烈火が全ての弾を避けたせいだ

もちろんその様子にカリムも口をあんぐり開けていた
「お気楽な気楽かよ!」と悪態づきながら
カリム中隊長に任せるかなと後ろに居れば鈴の音が響き渡り、飛んできた弾は一瞬で消えた

「危ない!」

と第8の彼女の声
そう、きっとわざとだろう、弾を3つほど残していた。
この男は!!!
今更思ったって仕方ないので飛んできた弾に向かい、手を翳した。
するとバキバキと音を立てて氷になる弾
それを見計らってかカリムは再び鈴の音を鳴らした
手に持っていた楽器からは一気に氷が放出され周りは一帯氷漬けになった
楽器から出てきた氷柱、私が凍らせた弾はそのまま烈火へとカリムと共に投げつけた

「烈火!!もうちょっとで大隊長に当たるとこだったぞ!!!」

ギャンギャンと言い合いをしているのを驚愕の顔で見つめる周りの隊員

Ichirinsou