青と赤を操りし者

一瞬、時が止まった気がする

この人は今何といった?
私のことが気になっている?

それは後輩として?
それとも……

「間抜けな顔しやがって、お前は本当に間抜けだな」

『んなっ!』

私の緊張を打ち壊すような言葉に腹が立った

「別に今すぐどうこうとか思ってねえから安心しろ」

勝手に部屋入って悪かったな。

とだけ言えば立ち上がり部屋から出て行った

ベッドの上に取り残された私はただ呆然としていた

な、な、何だったんだ……!!!
カリム中隊長が私のことを好き?

そんなわけない。
だって今まで酷いこといっぱいされてきた
思い返せば本当に酷いことだらけで悲しくなったのは秘密だ

でも、いつも何かあった時に駆けつけてくれるのもカリム中隊長だった

頭では分かっている。優しい人だと

ただその優しさに甘えた時失ってしまうのが怖いのだ

また、あの時みたいに……

ジリリリリリッッ!!!!

突然鳴り響く警報

焔ビトが出現したぞ!

と廊下から聞こえた

防護服を身に纏い、マッチボックスへと向かった

中に乗り込めば既にカリムや他の隊員もいた。
そして、第8の新人の2人も。

目的地に着けば、カリムがそれぞれの隊に指示を出していた

「凛は俺に着いて来て援護しろ」

『分かりました!』

…………

「ラートム」

『ラートム』

最後の一体を鎮魂し終わり、落ち着いたところに2つの影が見えた

それは……

『森羅くん?!アーサー?!』

そう第8の2人だった

2人は戸惑いを隠せない様子でこちらを見つめていた

何で2人がここに?
アーサーに関しては「悪は俺が……!」と言おうとしていた。森羅に必死に止められていたが

どういうこと……?

「新宿来ることがなくて迷ってしまったんです!」

必死に誤魔化している森羅

これは何か隠している……
そう確信した

一緒にいたカリムと烈火は特に咎めることなく「戻るぞ」とだけ言い歩き始めた


うーん……。あの感じだとなにか見た感じなんだよなあ……
部屋で考えるが何も思いつかない

「お前、俺じゃなかったら襲われてるぞ」

『そんなこと……え……?』

バッと起き上がって見ればそこにいたのはカリム

『きゃあああっ?!』

手に掴んだクッションをカリムの顔面に向けて思い切り投げつけた

Ichirinsou