青と赤を操りし者
ぼふんっと音を立てて顔に直撃し、落ちた
や、やばい……
本能でそう思った
『わ、わざとじゃないんです』
「わざとじゃなければなんでも許されると言いたいんだな?」
『ごごごめんなさい』
ひぃってなりながら必死に頭を下げれば溜め息が聞こえ、顔をあげれば間近にカリムがいたので逃げようとすれば額を思い切り弾かれた
思ったより強烈な痛みに身を捩らせていればこちらに目を向けず話すカリム
「俺の部屋に第8のあいつらが来やがる、お前も来い」
『は?』
どういうこと?
どうして2人がカリム中隊長の部屋に?
「第8も多分、焔ビトが人工的に作られているかもしれないことを嗅ぎ回ってる」
『っっ!』
それが本当なら……
行くぞ。と言い、私の部屋を出るカリムに着いて出ればビンゴだ
第8の2人がカリムの部屋にいた
「そこで何してる」
カリムの言葉に振り返る2人は焦った表情をしていた
「その虫みてぇな虫は俺が細工のために入れたやつだ。あの時様子がおかしかったから試させてもらった」
俺らも焔ビトの人工発火について調べている。
そこまで見ていたとは流石は中隊長だなあと思ったがそんなこと思っている場合じゃない
2人はカリムの言葉に疑っている様子だった
『ね、ねぇ、カリム中隊長に目星を付けて来たってことはこのローブを着ている人が犯人と言いたいってこと?』
2人は何を見たの?
そう聞けば2人は口を固く閉ざしていた
「あの時このローブを身につけていた奴は俺を除けば……」
「烈火 星宮……」
ボソリと森羅が呟いた
烈火中隊長が犯人……?
頭の中は混乱している
もちろんカリムも戸惑いを隠せないでいた
そういえば、、、朝から環ちゃんの姿を見ていない……
もしかしたら……
『中隊長!すみません!ちょっと行ってきます!!!!
』
おい!と後ろから聞こえる声も無視して私はその場を走り出した
環ちゃんは烈火中隊長の班の1人。
それにすごく慕っていたからもしかしたら……
最悪の場面が思い浮かんだ
恐怖を押し込め、私は走った