青と赤を操りし者

どのくらい走ったか分からない

頬を汗が伝う

環ちゃん……どこに行ったの……?

……けて、

『っ!』

突如頭の中に響く声

今の何……?
その声は一歩一歩と進む度強くなる気がした

た、すけて……

よく分かんないけど……
こっちだ!

そう思った

そして、私は声がするであろう方へと向かい、再び走り始めた

そして辿り着いたのは以前、カリムと訪れた倉庫のような場所だ

ここって……

汗を拭い見上げた瞬間だった

「誰か助けてええええ!!!!」

空に向かい、溢れ出したありったけの炎

この炎は環ちゃん……!!!
急いで中に足に進めれば、今にも炎で環を殺そうとしている烈火がいた

そして空からは……

『環ちゃん……!!!』

私は走り、二人の間に入りと同時に氷で壁を作り出し、爆風を相殺した

煙がやんだ先にいたのは踏み倒された烈火と踏み倒した張本人である森羅だ

「環、大丈夫か?」

我慢していた涙が溢れ出した

見渡せば子供が5人いた

きっと守るために無理をしたのだろう

環の身体はボロボロだった

『もう大丈夫。私たちがついているから』

そして私はぎゅっと抱きしめるのであった

烈火は立ち上がりこちらに目を向けた

その目は欲に飲み込まれたのか狂っているように見えた

彼が持つ小瓶の中の虫が鳴き声を上げている

まるで人間を求めているかのような反応だ

「そうか!君たちが伝道者様がいうアドラバーストを持つ者達なのか!俺は嬉しいぞ!!」

うっとりしたような瞳、高らかな声で話す烈火

必ずお前達を捕まえて、伝道者様の元へと連れていく、

鍵も居るからな、

彼は言葉を続け、以前耳にした鍵をまた言葉にした

『その鍵って何なんですか』

「お前に話す義理はないが俺に勝てたら教えてやってもいいぞ」

こい、と言わんばかりに挑発をしてきた

「凛は環と子供達を頼む」

『森羅……』

大丈夫。と言っているかのような瞳に私は頷き、環の元へと向かった

もし、もし、何かあってもこの人たちは私が必ず守る。

あの時と同じことにはさせない。

Ichirinsou