青と赤を操りし者

彼女と子供たちの元へと駆け寄り、目の前に立った

こちらを心配そうに見つめる子供たち

そして、絶望に満ち、現実を未だに受け入れたくない瞳をした環

『環ちゃん……』

声をかけようとしたが突然の後ろからの炎に囲まれた

子供たちは少し離れた場所で氷の壁に隠れてもらっていた為無事だった。

服が焼け落ちたと思っていればこちらに吹っ飛んできた森羅

『い、痛い…』

思い切り環の胸に手を当ててる体勢

その上、思い切り私のほっぺたにキスをしていた

その状態に動揺をする森羅は謝り、急いで私たちの上から退き、再び烈火の元へと足を進めた

涙に揺れる瞳で環は口を開いた

「お願い、、烈火中隊長を倒して……」

『環ちゃん……』

その言葉を吐き出すことがどれだけ辛いことだっただろうか

愛する者が反逆者だなんて

私は静かに頷き、彼女の目の前に立った

手をかざし、烈火の周りの温度だけを一気に冷やした


人を傷つけてしまう炎なんていらない


そう思い、気温をどんどん落としていく

すると当然のことだが烈火は炎を出せなくなる

こちらを睨む瞳なんて怖くない

『森羅お願い……!』

上に届くよう大声をあげた

「任せとけ!」

そう言い、ありったけの炎を上からぶつけ、烈火を叩き落とした

森羅はオーバーヒートを起こしているのかフラフラしていた

烈火はまだ息をしており、立ち上がってきた

『あなたに聞きたいことがあります!子供達を巻き込んだ理由は?伝導者って……』

「焔ビトを人工的に作り出すことで炎にかえす、これこそ伝導者のおぼしめし……」

そう話す、その瞳はもう正気を失っており、ただ無我夢中に炎を身に纏い始め出した

「やめろ!自分の炎に焼かれるぞ!」

「その前に全てを焼き尽くす!!ラートム!!!」

『私が……!』

そう言い、一気に氷をぶつけようと手をかざせば、辺りに響く、鈴の音

烈火の炎は一気にかき消され、腕ごと凍らされていた

「これは……?!カリム!」

「言っただろう?お前の後ろには俺がいるって」

『カリム中隊長……』

名前を呼べばこちらをちらりと見てきた

「こんなもの……!」

そう言い、再び炎を出力しようとしたがカリムはそうはさせなかった

「やめろ、お前が熱くなればなるほど俺はお前を冷やす」

その言葉を無視し、炎を出すことを止めない烈火

それはかなわず氷漬けにされた

「こんなことする為にいつも後ろにいたんじゃねぇんだよ」

そう話すカリムの目は悲しみに満ちていた

Ichirinsou