青と赤を操りし者

「報告を受けて来てみればこれは……」

後ろから聞こえた声に振り返ればそこにいたのはフォイェン中隊長

2人はこれからの第1のことを話していた

そうだ、中隊長を1人失った第1はこれからどうなる?
もしかしたら他にも反逆者もいるかもしれない

焦りを感じていれば突然爆風が起きた

何事だと見れば凍らせた烈火の胸のど真ん中にポッカリと大きな穴が空いていた

「烈火が……」

「烈火中隊長……」

森羅に続き、環も彼の名を口にした

突然のことに驚きを隠せずにいた場にまたもや爆風が起きた

「狙撃か!」

「どこからです!?」

そう、どこからか分からない狙撃が私たちを襲った

するとカリムとフォイェンの後ろが光った

『危ない!!!』

2人の前に私は立ち、手をかざした

『っ!!』

いつもならこれで弾けるはずの炎が弾かれなかった

炎の矢は止まるどころかもう目の前だ

直感的にやばいと感じた私は叫んだ

『形状変化!』

そう言えば炎の矢は氷の塊となり、こちらに飛んできた

なんとか受け止めたが速さが完全に弱まったわけではない為、少し後ろに飛ばされた

「凛!!!」

私を抱き起こしたのはカリム中隊長

『だ、大丈夫ですよ』

にへらと微笑み返せば安心した様子のカリム

「森羅!煙幕をはれ!環は子供たちを少しでも安全な場所へ!」

各々、その指示に従い、動いた

私とカリムとフォイェンも柱の後ろに隠れ、敵の場所を確認したあと、次の行動へと出た

そう、それは……

「環!ありったけの炎を対象に向けてやたらめったらに出せ!」

「はい!」

そう言い、環は炎を伸ばし始めた

そして、それを凍らせるカリム

『けほっ……』

「凛?!」

私の行動に驚きを隠せないカリム

そう、私も炎を出し、自らの炎を凍らせた

「カリム、氷に何の意味が……」

フォイェンは私たちの行動に眉をひそめた

そう、カリムはわざわざ放出された炎を凍らせていた

「元軍人のお前ならわかるだろう……?」

『壁を作りつつ、相手の位置を把握しているかのように思わせる為です、狙撃は安全な場所ということが重要ですから』

カリムの言葉にそう答えれば納得したフォイェン

そう話してすぐこちらの思惑の通り、相手は退散した

そうわかった途端、身体の力が抜けた

炎を使いすぎた為だ

「頑張り過ぎだ」

そう言い、肩にかけられたローブ

第8と和解した私達はその場を後にした

そして、環はその後、処罰を受けることが決まった

Ichirinsou