青と赤を操りし者

「おい、それはもうするな」
その声の方へ目を辿れば青髪の男だった

『あ、ありがとうございます』

そう言えば、男からはとんでもない言葉が出てきた

「お前、ちびだな」

は……???

「カリム、いきなりそれは失礼だろう」

「俺は本当のこと言っただけだ」

この失礼青髪男はどうやらカリムと言うらしい

『カリムさんですっけ?』

「あ?」

『トサカ頭のあなたに言われたくないです!!!』
私の言葉に吹き出す2人、ワナワナと震えるカリムと言う名の男

「てめっ……!」

身の危険を感じサッと離れ、帽子男の後ろに隠れた

「カリムにあんな風に言い返す子は君が初めてだよ」

そう言われたがムカつくもんはムカつく。
そうだ。言い返して何が悪い。
心の中でそう悪態づいていれば目の前に手が差し出された

「挨拶が遅くなったね、第一特殊消防隊 中隊長のフォイェン・リィだ、よろしく」

「俺は中隊長の烈火 星宮だ!!!よろしく頼むぞ!!!」

フォイェンの優しい雰囲気と違い、相変らず暑苦しい烈火。まさかの名前にまで星入っているってすごい名前だ

「同じく中隊長のカリム・フラムだ」

素っ気ない感じに挨拶をしてくるこの男
こいつ苦手だ!!
そう思って睨んでいたがふと我に返った
ん?この人たちさっき中隊長って…………
中隊長……???

『中隊長なんですか?!?!』
いきなりの大きな声だったのか驚かれた

「ああ、そうだよ。」

ケロリとした感じで返してくるフォイェンさん
そうだよって……!!!
今まで普通に話していたが一気に焦りが出てきた

『あ、あの今までご無礼を……!』

「ああ、大丈夫だよ。元はと言えばうちの隊員が発端だからね」
そう言い、優しく頭を撫でてくれるフォイェンさん
ああ、本当にいい人だ。
カリムさんとは大違いだ。こんなこと口が裂けても言えないけど

「おい、お前口に出てるぞ」

『やだなあ、気の所為ですよ』

はははっと乾いた笑いを出すがギリギリと掴まれた頭が痛い。潰される

「カリム、女の子なんだから優しくしてやるんだぞ、この子はお前の隊に所属するんだから」

……え?
今なんと…………?

『フォイェンさん、今なんておっしゃいましたか?』

「ああ、言ってなかったね、今日からカリムの隊に所属してもらうよ。こう見えて優しいから安心して大丈夫だよ」

その言葉は私をどん底に突き落とすには十分だった
ああ、これは人生終わりだ
そして私の消防隊としての人生はここから始まるのであった

Ichirinsou