こころやまい▽2017/04/18(Tue)
湖上
ふんふんふふんふん。
「なんだァ?随分とゴキゲンじゃねーか」
んー、なんだかねえ、今とてもふわふわしているというか。
「ああ?」
幸せなんだろうなあ。
「…………」
ちゅーやくん?
「抱きしめていいか」
お、おう?そういうのを聞くのは野暮ってもんウギュッ!
「……うるせえ」
ちゅーやくん今絶対顔真っ赤やんね。
「ンなわけねーだろほざけ」
ほざくー。ちゅーやくん赤面ンー!
「うるせえ」
耳まで真っ赤だったり?して?
「うるせえ」
あー目も真っ赤だっ(ちゅっ)……た……。
「……」
……えっと……。
「おまえの方こそ顔面真っ赤じゃねーかバーカ」
わ、わー!!!
「でけえ声出すんじゃねえよ!!」
つい!!ごめん!!!
「万が一人が来たらどうする気だテメエ!!」
あっあれだよ!われら接唇する時に月は頭上にあるでしょうってやつ!!
「あれ湖だけどな。つーかおまえ誤魔化すの下手くそかよ」
お前にだけは言われたくねえ……!
……そろそろ行こっか。
「そうだなー。さみぃし」
今日はどこで夜を明かそうかね。
「……一応聞いとくけどよ」
うむ?
「あのカードの支払い先って、どこなわけ?」
え?図書館。
「……」
図書館。
「何故2回言いやがったし」
大事なことなので?
「追跡とか痕跡の方は大丈夫なのかよ」
支払い日来月だから。
「えげつねえ……」
太宰ごめん。
「青鯖に同情する日が来るとは思わなかったぜ……」
でも高いホテルに泊まりたいんでしょ?
「当たり前だろ」
▽2017/04/18(Tue)
文人
今宵は月が一等美しい。
「そうさなぁ」
潮風もきもちいい!
「ちっと冷えるがな」
夜の海はいいねえ!ねえちゅーやくん!
「白いボタンがありゃあ完璧だったんだが、流石にねえか」
ボタンの代わりに貝殻……。
「わかってねえなあおまえ。そんなだからまだまだひよっこなんだよ」
ふむ……。
ざざーん。ざざーん。
「もうちょいましな擬音を言え。つまんねえにもほどがある」
僕ァちゅーやくんみたく天才詩人でも小説家でもないので、一般的オノマトペしか言えません。
「そうやってすぐ諦めるからおまえは駄目なんだ」
ド正論のつもりだったのだけれど……。
▽2017/04/18(Tue)
たこやき
たこ焼き食べよう!
「まさかオレらがこんな出先で呑気に飯食ってるなんて誰も思わねえだろうな」
うわこのたこ焼きまっず……。
「は?」
ちゅーやくんに全部あげるよ。たんとお食べ。
「今まずいって言わなかったかおまえ」
大きくおなり。
「もうならねーーよ!!!」
▽2017/04/18(Tue)
うるさいな
太宰「穂吉って本当は優しいよね」
そんなことないよ。悪い奴だよ。
太宰「悪人になりきれてないよ」
そんなことないよ。
太宰「じゃなきゃ、俺のお願い聞いてくれないでしょ」
……お願い?
太宰「顔は傷つけないでってやつ」
…………ああ。
太宰「本当に悪い人なら、聞きやしないさ」
僕はお前のそういうところ、好きじゃないよ。
▽2017/04/18(Tue)
決意
誰にも祝福されない。オメデトウなんて言ってくれない。求めても認めてもくれない。それはすこし寂しいように思う。
「そうかァ?」
君は自由人だからいいかもしれないけどさ。僕はそうじゃないんだよ。
「ちったぁ自由になってみろよ。自分のために生きるのはいいぞぉ?」
そうだろうけどさ。……そうだろうけど、やっぱりさ、僕は自己顕示欲が強いからみんなに認めてほしいんだよ。たとえ到底誇れるものでなくたって。
「それこそエゴじゃねーか」
……そうだよ。ただのエゴだよ。でも愛してしまったのだから仕方ないじゃないか。
「……」
帰りたいよ。
「……ああ。オレも帰りてえ」
誰にだって受け入れてもらえる関係だったならば、こうして身を隠す必要もなかったのだろう。
「今日はよく喋るな」
気分がいいんだ。すこぶるね
「そいつぁ何よりだ」
だからこそ冷静に考えてしまうのさ。
「悲観的になるのはやめてくれよ。慰める身にもなってくれってんだ」
いつもありがとう。
「どうもいたしまして」
僕は結局臆病なのだよ。
「今更かよ」
今更だよ。強気で偉そうなふりしてるだけで、根っこは怖がりなばけものなんだから。
「……言うほどばけもんじゃねーとオレは思うがな」
そうだろうか?
「そうだよ。もっとヒデーばけもんはその辺に転がってるだろ」
たとえば?
「モモノハナ野郎」
……んへへ、違いない。
帰りたい。……帰りたいねえ。
「そうさなぁ。何より酒が飲めねーのがつらい」
そこなのか。
「そこに決まってんだろ」
酷いなあ。僕じゃ不満だって?
「おまえはそもそも飲めねーだろうがよ」
でも会話はできるだろ?
「そういうことを言ってんじゃねーんだよオレはよ」
……中原中也殿。
「あんだよ特務司書」
逃げちゃおうか。
「……はっ」
嫌かい?
「まさか。清々するぜ」
ほんと?
「嘘じゃねーよ」
僕らきっと消えちゃうよ。
「そうだな。文字通り消えて、オレら二人だけになるだろうな」
いいの?
「覚悟はとうに決まってる。待ちくたびれたぜ」
そっか。……うん。……そっかぁ!
「にやにやしてんじゃねーよ気持ちわりぃ」
んふふふ。
「命懸けだぜ? おまえの方こそいいのかよ。文学を守る使命は? センセーは? 残した太宰は? どうなるよ」
…………うーん。酷いやつだって言われるだろうけど、なんだかもう、どうでも良くなっちゃったよ。
どうでもいいんだ。全てが。取り巻く環境も愛も憎悪も手のひらから落っことして、ゼロにかえしたいんだ。
「…………そうか」
君こそいいの?せっかく憧れの宮沢さんに会えたのに。
「愛するものにはかえらんねーだろ」
……おやおや、まあまあ……。
「……急に照れんなよ……」
だって……。
うーん。……うん。よしよし。
「いけるか?」
うん。大丈夫!
「その大丈夫、は自分に言い聞かせたもんじゃねーだろうな?」
違うよぉ。自信のある大丈夫です!
「……へへ、そいつぁ上等じゃねーの」
……行こうか。遠いところへ。
「そうだな」
僕らきっと、生きては帰れない。
「ああ」
見つかったなら、それが最期だ。
「……ああ」
死にたくはないよね。お互いね。
「当たり前だろ」
頑張って、遠い遠いところへ逃げ切ろうね。
「当然」
ずっと一緒だよ。
「わかってる。約束だ」
約束だよ。……ね。
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