罪の花

(ネタ1/ネタ2)←これが元ネタの話

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side.名字

5歳の夏に、私は天涯孤独になった。交通事故で両親と兄は死んで、私だけが生き残ったらしい。病院で目を覚ました私にもたらされたのは、その情報だった。そして私は前世と言うものを思い出してもいた。一介のプログラマーだった私の死因はデスマーチの果の過労死だろうな。そんな気がする。
身寄りのなくなった私は当然、施設暮らしになった。初恋の秀一お兄さんとの別れは寂しかったけれど、私の都合何て関係無いのだ。
施設には同じ様な身寄りの無い子供達が沢山いた。そして施設に支援していると言う枡山憲三と言う大きな自動車メーカーの会長が良く顔を出していた。「枡山のおじさん」と私は呼んで懐いた。その裏なんて、この時の私は全く気付かなかった。
私が小学四年生になった頃に、枡山のおじさんのSP見習いだと言うお兄さんが共に現れる様になった。厳つい顔のお兄さんだったけれど、まだ中学二年生くらいらしい。私もタイプは違えど、外国の血が入った金髪だったから、親しみが湧いて早いうちに懐いた。
遠慮なく抱き付いて、お喋りして、其れはとても楽しくて、自然体になれた。私の自然体は、今の年齢を考慮した無理矢理の子供らしさを、考えなくて良い情態の事。其れを見ても、異常だと排さずに受け入れてくれる存在が、私は嬉しかった。

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side.枡山

「枡山のおじさん!お久しぶりです。」
約一か月一度の訪問が殆どだが、今回は二か月ぶりだった。会えて嬉しい。その裏の無い感情が手に取るように伝わって来て、堪らなく可愛い。この子が、施設で行われている様々な教育にて、最も組織向きの成績を修めたのは、この子にとっての幸せでは無いかも知れないとすら思ってしまう。いや、一部の優秀過ぎる人間は、一般社会では生きられないと知っている。組織はなんらかのジャンルに優秀で有ればある程に、重宝される。人間は、居場所が欲しいと思う生き物だ。この子の優秀さを見出したのが私で有るなら、この子の居場所を組織内に確率させてやるのは私の役目だろう。
「久しぶりだね、名前ちゃん。キミは頭が良いからね、海外に留学してみる気は無いかい?その調整をしていたんだよ。」
そう言えば、名前には断り辛いと分かっての言い方だった。
「私なんかの為に、枡山のおじさん……私、頑張る……!」
私の決意を知ってか知らずか、そう言って泣いた姿を抱き締めてやれば、頬をほんのり赤く染めて、抱き返して来る。
「キミだから放って置けないんだ。良い子で頑張りなさい。ああ、あちらは日本より治安が良くはないからね、護身の為にあちらの知り合いに少し訓練を付けて貰えるように頼んである。こちらも怠らないように。」
そう、少しの厳しさを滲ませれば、名前は真面目な表情になり、頷いてからフワリと微笑んだ。
「枡山のおじさん、私、役に立てるように頑張ります。」
ああ、分かっているのだろう。これが己を、私の領域に落とす第一歩だと。

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side.名字

今世の私は前世よりもベースの能力が随分と高い自覚がある。
その内に気付いてしまった事もある。私にとっては違うけれど、枡山のおじさんとお兄さんは、本当は悪い事をしている可能性の高い人達だって言う事。其れでも私は二人が嫌いにはなれなかった。
留学を勧められたのは、意外だったけれど、断る事は出来ないのだと枡山のおじさんの言い方で分かった。きっと此れは守られた普通の子供では居られなくなるだろう。これで枡山のおじさんの役に立てるなら、今は其れで良い。

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10歳で留学し、付けられた恐らくは監視である女性に多少の護身術と銃の扱いを習った。筋が良いと言われ、1年もしない内に監視は離れた。代わりの様に「ちょっとの護身術」のレベルじゃあない戦い方を、実戦込みで叩き込まれて、死に掛けた事は1度や2度じゃあ無い。
従順だと判断されたらしく、私は先ず、女幹部であるベルモットの部下として、アメリカにいる間は扱われた。マネジメントのスキルが不本意な程に滅茶苦茶上がったのは、ベルモットの無茶振りによる成果だ。何故か気に入られているらしく、今後は別の幹部の部下になる予定なのに、また遊びましょうねとか言われているのは良い事なのだろうか?