序幕
空を見上げるとそれは痛いほど日差しが強い日だった。
もう奴は長くないだろう。
そのまま放置してもきっと勝手に死んで行く
帰ってこない人を待ちながらたった一人で。
でも、、それでいいのだろうか、、
「……ッチ」
小さな舌打ち一つ。
結局、奴の為ではないと自分に言い聞かせ、とある場所へ足を運ぶ。
目的の人物はどんな顔をするだろうか、、
説明をしろと言われたら
何処から話さねばならないだろうか。
ああ。気が重い。
実弥は首の包帯を一撫ですると足を止め
兄弟子たちの思い出を辿る。
始まりはあれだ。
全てあの任務から始まった。
出会った時から報われる事はないと分かっていたんだ。
「本当、アイツは馬鹿だ…」
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