n回目の演 / 5


神代 二葉 

知ってるなら避けることは出来なかったんですか?

久木 太郎 

それが無理なんだよ……
殺されたあといつも気が付いたらそのシャッターの空いてる店の前で散歩していて……
絶対に見るんだ。その儀式を……


神代 二葉:てか自己紹介しろ

白波 千聖:しようと思っててタイミングを伺ってる

黒須 ユリオ

「も」ってことは、昨日も見たのかな……あ、名前

久木 太郎 

名前? 俺の?

黒須 ユリオ

youしかいないよ、ミスター

久木 太郎 

えっと、久木 太郎っていうんだ
普通のサラリーマンだよ
……別に怪奇現象に巻き込まれるような人間じゃないはずなんだけど……


白波 千聖:太郎って何歳くらいに見える?

■KP:20代ですね。

白波 千聖:ふむ

神代 二葉 

太郎さん

黒須 ユリオ

ボク、黒須 ユリオ。俳優

神代 二葉 

神代 二葉です。探偵です

久木 太郎 

あ、あぁ、俳優さんか……
なんか、こんな所で芸能人と知り合うなんて思わなかったな……まぁ、よろしく

白波 千聖 

ふむふむ。太郎くんに、えっと……ユリオさんに二葉ちゃんですね!
私は白波 千聖です
よろしくお願いします!

久木 太郎 

で、そっちの方が探偵さんの神代さんと、白波さん……よろしく

黒須 ユリオ

よく悪役やってるから、自慢できるかって言われたら微妙だけれどね

久木 太郎 

でも、悪役って結構難しいと思うんだけど……

黒須 ユリオ

ふふ、簡単だよ
これが映画なら、ボクがキミの苦悩の元凶だったりするんだけどね

久木 太郎 

じょ、冗談でもやめろよ……

黒須 ユリオ

フフ……

神代 二葉 

太郎さん、殺されるのは何時頃ですか。場所は?

久木 太郎 

決まって22時だよ
場所はあっちの広場だ


■KP:と、指をさしますね。 確かに広場があります。

神代 二葉 

ふむ。ではその時間帯に広場に近づかなければ……
と言ってもそれだけで解決するならいつまでもループなんてしてませんか

久木 太郎 

……

神代 二葉 

そっちも避けようがないんですか?

久木 太郎 

そんなこと、今までいくらでも考えたよ!
でも……ダメだった
だって俺はその時、何故か絶対に丸腰なんだ

久木 太郎 

たとえ昼間に鉄パイプを拾って大事に持ってたって、俺はいつの間にか22時には中央広場に何も持たずに居て、そこで殺される
そして次の瞬間にはまたこのあたりで散歩をしていて、あの儀式を見るんだ……
何をやったって俺は殺されるんだ……

神代 二葉 

随分と強引ですね

■KP:久木は落ち込んだような素振りを見せていますね。

白波 千聖 

なんのためにそんな事をされてるんでしょう……

久木 太郎 

本当に何も心当たりがないんだ
なんでこんな目に……

黒須 ユリオ

楽しいからだったりして

神代 二葉 

到底理解出来ませんね

久木 太郎 

じゃ、じゃあなんで俺なんだよ!
他にもっと見てて面白いやつなんて沢山いるはずだろ……

神代 二葉 

何か抜け出す方法があれば良いんですけど

黒須 ユリオ

死んで蘇らせて、死んで蘇らせて……
狂気に歪んで絶望に諦める姿は見ものじゃないですか? クスクス

久木 太郎 

…………

神代 二葉 

やめてください、悪趣味です