レリオス「……」じー
ウィシア「んー、|美味《おい》しい! レリオスは食べないの?」
レリオス「|飽《あ》きたんだ」
ウィシア「そ、そうなの!? ……そんなによく食べてたんだ、いいなあ」
レリオス「自分の店の商品の味は知っておくのが、商店をやる人間だと読んだ」
ウィシア「あ、本の知識だったんだ? え、でもそんなに飽きるぐらいあったかな?」
レリオス「味は全十五種類。年に一度ほど、味の見直しのためにラインナップがリニューアルされる。他の商品は|乾物《かんぶつ》系統を取り扱っているうちでは内容が変わるものがない。必然的にジャンボスタ|煎餅《せんべい》の味が変わる度に味見をしていた」
ウィシア「そんなに味変わってるの!?」
レリオス「大して変わっていない。砂糖や塩の量が少量変わる以外に大きな変化がない。似た味すぎて食べ飽きた」
ウィシア「そ、それはつらいね……」汗
レリオス「ちなみにジャンボスタ煎餅|激辛《げきから》味になると、一日舌が|麻痺《まひ。して食材の味がわからなくなる」
ウィシア「そ、それ一年に一回食べてたの!?」
ルフ「お、おおう、それは苦行ですね……」汗←途中から聞いてた
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第03話「疼く色」
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第04話「刻まれた願い」