那田蜘蛛山2


「もーこれ以上俺をホワホワさせんな!」
「ひどい怪我だ!下山しろ」
「俺は怪我してねぇ!!」


大きく言い争う声が聞こえてきて、その声を頼りに走り、2人の姿を確認できた。
「追いついた!炭治郎!いのすっ…ってアンタ
 どんだけ怪我してんの!ちょっと黙って見せなさい!」
「あぁ、テメェに指図される覚えはねぇよ!」
「早く手当しないと!」
「だから俺は怪我してねぇ!」

炭治郎と柚充が伊之助に説得を試みるもののその甲斐はなかった。

3人の前に鬼の少女が現れる。

「お父さん」

その声に反応したのだろうか、空から蜘蛛の顔を持つ男が降ってきた。
蜘蛛男が拳を振り下ろすと岩が粉々に崩れる。


「水の呼吸 壱の型 水車!!」
炭治郎がすかさず切りかかった。
伊之助も柚充も合わせて打ち込むが、3人は弾き飛ばされる。炭治郎と柚充は飛んで姿勢を保つ。
ーー思ったより硬い。

伊之助は水に落ちた。そして、蜘蛛男の気を引くために走る。
「伊之助!傷口が!」
柚充は叫んだが、伊之助は止まらない。
何をしようとしているのか読めない為柚充は下手に手を出せない。
炭治郎は巨木を切り倒し切り株に乗る。
水の呼吸で型を繰り出そうとしたが蜘蛛男が炭治郎が倒した木を振り回したため、その刃は蜘蛛男には届かなかった。反対に炭治郎は空へと吹き飛ばされる。

「伊之助!柚充!そいつは十二鬼月だ!
 死ぬな!死ぬなぁぁーー」

飛ばされる炭治郎をよそに伊之助を睨みつける蜘蛛男。柚充は蜘蛛男と伊之助の間に走り込んだ。
「っ!胡麻子!?」
「風の呼吸 壱の型 鹿旋風・削ぎ!」
柚充の攻撃で蜘蛛男の脚を落とした
「伊之助!逃げて!」
蜘蛛男は体勢を崩した。

ーーこれで少しは時間が稼げる

伊之助はその隙に木の影に隠れた。
しかし予想以上に蜘蛛男の回復は早かった。
足が生え、柚充に殴りかかってきた。

柚充は避けるのと同時に、上から蜘蛛男の頸を狙うために木に飛び上がった。
「風の呼吸 弐ノ型 爪々・しなとっ、、伊之助馬鹿!」
柚充が狙いを定めかけた所に伊之助が鬼に突進してきた。柚充は刀を引き蜘蛛男を踏み台に地面に着地した。伊之助はそのまま蜘蛛男の腕を刀2本を使って切り落とす。
「考えるなんて俺じゃねぇ。一本で切れないなら
 その刀をぶっ叩いて切ればいい!
 俺刀2本持ってるもんね!
 柚充に切れて俺に切れないことはない!」

喜ぶ伊之助をよそに蜘蛛男は逃げだした。
「待てこらぁ!逃げるんじゃねー」
「伊之助!頸を落とさなきゃ意味ないでしょ!
 腕一本で威張らないでよ!!」
「分かってっんだよ!お前だって足一本じゃねーか!」

ーーさっき伊之助が出てこなきゃ、
  頸落としていたはずだったの!!

伊之助と柚充は追いかける。
開けた場所にでたが、蜘蛛男の姿が見えない。
鬼から漂う嫌な風は、、
「あそこ!」
「何処に登っとんじゃい!!」
柚充が指さした先、枝にしがみつく様に蜘蛛男がいた。一見木の上で震えている様に見えたが、何かがおかしい……。
その時、バリバリバリバリ
「「だっ脱皮し(やがっ)た!」」

蜘蛛男が大きくなり纏う空気が嫌に重くなった。柚充は思わず後ろへ飛び退いてしまった。


……傷だらけの伊之助をその場に残して。
 




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