那田蜘蛛山4


「おい!胡麻味噌。これ解け!」
「解くわけないでしょ。大人しくしてて。
 それに喉もやられてるんだから喋らない。
 声出なくなるよ。」
「うるせぇ。こんなの大した怪我じゃねぇ」
「本当に馬鹿なんじゃないの?!」
「俺様に馬鹿とはいい度胸じゃねぇか!胡麻味噌!」
「馬鹿に馬鹿って言って何が悪いのよ!
 それにいい加減名前覚えなさいよ!胡麻味噌って何?
 かすってもいないじゃないの」
これ見よがしに大きなため息をついた。


柚充はベルトに吊るしてあるポーチから薬や包帯を取り出し、応急処置をしていた。
一刻も早くしっかりした治療をと思ってしまう怪我だ。冨岡はこの怪我の具合を見抜いて動けなくして行ったのだろうと思う。

「あの半々羽織、お前の師匠か?」
「……内の1人かな」

「じゃあまず、お前を倒す!!
 そしてあの半々羽織を倒す!」

「今の伊之助じゃ無理だよ。」
「無理じゃねぇ!俺様は強ぇんだ!!」
「………………。
 自覚して!今の伊之助は弱い!」
「弱いってなんだ!俺様はっ!」
刀だって折れてしまった。脱皮した蜘蛛男の速さにもついていけず、腕一本落とす事ができなかった。

ーー酷なのは分かっている。でも、、
  自覚しなければ次は命を落とすかもしれない。

「少なくとも私は脱皮したアイツの腕を落とした。
 伊之助は?」
ーー………まだまだどんぐりの背比べだけど


伊之助は静かになった。

柚充はそんな伊之助の応急処置を続けた。
被り物の下も処置しなければいけないのは分かっていたが、伊之助の顔を見る勇気が無かった。




ーー柱が来たからもう戦いは終わるだろう。

  炭治郎と善逸は無事だろうか。


「私も鍛錬し直さないと……」

呼吸の重要さを痛感していた
 




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