藤の家紋の家3


翌日、炭治郎、善逸、伊之助の3人は医者から完治の診断をされ、鎹鴉から次の指令を受けた。

「3人ハ那田蜘蛛山ニ行ケ」

「柚充は?指令は出てないの?」
「あ、えーと…」
「炭治郎。この子何か隠してるよ」
「弱味噌だから逃げてんだろ…」
「伊之助?聞こえてるよ?喧嘩売ってるの?」
「売らねーよ。コメ子」
「コメ子ってなんだよ!
 師匠に飛ばした鴉が戻ったら次へ行くの」
コホンと咳払いをしそう告げた。
「じゃあ俺は、柚充ちゃんと一緒に残る」
「嫌だよ。」
「笑顔で言った!!笑顔で俺の心抉るよ!!
 炭治郎ぉー柚充ちゃんが酷いよぉ」
「紋壱、てめー、つくづく気持ち悪りぃぞ」

コントのようなやりとりに自然と笑顔になる。
とても楽しい人たちだ。

「お互いまた無事で会おう!」


ひさと一緒に3人を見送る。
隊士を見送り続けるひさの気持ちが少しだけ分かったような気がした。

「ひささん私が立つ時も切り火してくれる?」
「もちろんでございます」



屋敷の中へ戻り、3人が泊まっていた部屋の片付けを手伝っていると、柚充の鴉が到着した。
撫でてやると目を細めて喜んでいる様だった。
「ありがとう。頑張ったねー」
「怒ッテタ」
「だろうねーまぁ、覚悟しておくよ」

今回鴉は実弥に手紙を飛ばしただけなので、指令を受けて来たわけではない。
「そういえば、君の名前は?」
「………」
「言わないなら、私が決めるからね。そうだなぁ……
 風、、科斗も良い言葉なんだけど、
 弐ノ型で間違って出てきたら危ないし……」

実弥様の鴉は爽籟(そうらい)だよね…
鬼が嫌がるもの、、日の光、、ひ、

「ひかた!ひかた!はどう?!
 日のある方から吹く風って意味。
 鬼が嫌がりそうだし。」
「……カッコヨクナイ」
「文句言うならタガメって呼び続けるからいいよ」
何故!!!と明らかに焦る鴉を見て、柚充は小さく笑った。

「シカタナシ、、」
プイッとそっぽ向いて返事をする姿に、照れてる実弥様みたいだぞーと言うと何故か「クワァー」と威嚇された。
「まぁ、ひかた。これからもよろしく
 で、那田蜘蛛山の状況しってる?」
「少ナクトモ20名以上派遣サレテル」
「20以上?」

ーー炭治郎たち大丈夫だろうか?

「よし。私も那田蜘蛛山に向かう。
 ひかた案内頼むよ。」


旅支度を済ませ、ひさに挨拶をして旅立つ。
約束の切り火は柚充の気持ちを引き締めるものだった。

今ならまだ、3人追いつけるかもしれない。

柚充は速度を上げて走る。
 




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