風韻爪弾きて鳴る
▼ねやちかき 梅のにほひに朝な朝な
あやしく恋のまさる頃かな
熱に冴える霞
花盛りの惜しにけり
熱差しの唇
焦香
夜に追われ背より喰われし
晴天にかなぐる色繰り
▼寝屋の近くの梅の匂いに、
朝が来るたびに酷く恋の心持が増していくことだ。
能因法師/後拾遺和歌集