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臣初
臣くん:ジュカイン♂
⇒「はつ」
初陽
:
トゲキッス♀
⇒「臣」
関連作品
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雨音に耳を傾けて
傾く秤、隠れる我欲
理想の主従関係
無条件で信頼をし、全体重をかけるかのように身を委ねている主人の初陽。休みをもらって好きなことをしていいと言われたら「好きなことをしている」と言って尽くしてくれる従者の臣くん。相手が自分のことを大切にしていることはお互いに理解している、相思相愛な主従関係である。
気乗りしない始まり
事故で家族全てを失った現実を受け入れられず、屋敷から逃げ出そうとする初陽に足枷をつけるために分家の者が雇った付き人を雇ったことが2匹の始まりである。
分家の者たちの欲望のために自分の性質を利用し、搾り取るだけ搾れたら用なしとなる。そのような自分に付いたところでキャリアにもならない。時間と労力の無駄になってしまうと考えた初陽は従者がつくことを拒み、顔合わせの日に脱走。対して、貴族様の付き人になるなんて面倒臭いと中庭を歩いていた臣くん。お互い主従関係を結ぶことに消極的な考えをもって席を外していたというのに、木に登って身を隠していた初陽が足を滑らせて落下した先にいたのはばっくれ方を考えていた臣くんであった。
主人と従者の顔を把握していなかったため、2匹は自分たちを探す屋敷の者たちから隠れていた。その途中、会話の中で臣くんが自分につく従者なのだと気付いた初陽は彼が嫌がるように自分の悪評を流そうとする。が、2匹に拒否権はなく正式に顔合わせをした後に主従関係を結ぶことになる。
築かれていく絆
一度引き受けたからには乗り気でなかったとしてもやり遂げようとする臣くん。しかし、初陽は受け入れようとしなかった。しかし、分家の者に全ての権限を奪われている初陽には発言権すらなく、臣くんから辞めてもらうように仕向けて行くしかない。不幸せなことに家族を失って日も浅く、情緒不安定なこともあったので、当たり散らしてくる面倒臭いお嬢様でいれば嫌になって離れていくであろうと考えた。情緒不安定で騒いでいるときは放置しておけばいいと教わった臣くんは当初言われていた通りにしていたが、静かになったと様子を確認すると初陽は部屋から脱走しているため何度も鬼ごっこが繰り返されていた。
鬼ごっこを繰り返されているうちに「貴方しつこいわ! ここまで露骨に面倒臭いお嬢様でいるのだから嫌になって放置すればいいじゃない!」と怒った初陽である。ここまで言っても臣くんは初陽のことを投げるわけでもなく、根気よく付き合ってくれた。そんな臣くんの姿に惹かれるようになった初陽である。
気乗りしなかった主従関係であるが、お互いのことを知ることで確かな絆を築いていった。家族を失ってからは大切な人を作りたくなかった初陽が再び他者を大切だと思えるようになり、ボディーガードの仕事を引き受けたはずの臣くんは初陽の身の回りの世話もできるようになってくれた。ちなみに苦手であった初陽の髪の結う仕事を今では誰にも譲るつもりはないくらい上達し、初陽も他の人に任せるつもりはないらしい。
守りたい故の解雇
敵だらけの分家の屋敷で唯一手放しに信頼できる相手が臣くんである。そんな彼にはいつか素敵な女の子と家庭を築き、幸せになってほしい。彼の有能さを活かせる主人に恵まれてほしいと願う初陽。それが自分であれば他に何もいらないと思えるくらいだが、初陽の体質を誤った方法で利用している今の春式の家が向かう先には破滅しかないことを知っていたため、いつかは手放そうと考えていた。しかし、手放したくない、ずっと傍にいてほしいという本音があり、ずるずると先延ばしにしていた。
ある時、初陽は弟の生存、そして今も必要最低限の治療のみでぎりぎり生きながらえている状態であることを知る。そして怒りを覚えた初陽は分家が牛耳る春式の家を潰すことを決意した。そして、主人の反逆を止められなかったと臣くんの経歴を傷つけないためにも事を起こす前に解雇をすることに。
普通に解雇を言い渡すのでは臣くんが納得しないことは承知のこと。それ以前に初陽の一存ではそのようなことをすることもできないので終冬の手を借り、分家の当主が臣くんを解雇にする理由を作ることにした。それは臣くんを連れてお忍びで外出した際に初陽がはぐれ、奴隷商人に襲われ傷物にされたという不祥事を起こすことである。本来であれば外出することを止めなければならない立場なのに外出を良しとしたこと。そして清らかさを重視しなければならない令嬢の貞操を守れなかったことは当然解雇されることとなる。
この奴隷商人たちは終冬が手配したものであるため、実際は初陽に指一本触れていないのだが……今まで尽くしてきてくれた臣くんを裏切る形にして終わらせてしまったことは初陽の中で一生の後悔として残り、春式を潰した後は彼との再会を夢に見ることも許さず最期を迎えるつもりであった。
秘められる恋心
初陽のことを普通の女の子として意識しそうになっている。しかし、相手が主人だからとその思いを表に出せるわけもなく、抑えていた臣くん。何があっても傍にいてくれて守ってくれる男の子として意識している。けれども分家の者に虐げられている現状では恋愛どころではない初陽。お互いにこれから先もずっと隣にいたいし、他の人と添い遂げることなど想像もできないくらい思いあっているのに相手の立場を優先してその気持ちを隠すことにした。
春式のいざこざに巻き込まないように解雇をしたにも関わらず戻ってきた臣くんが「解雇したということは主従としての命令を聞く必要がないよな」という発言により、初陽は「つまり主従関係でない今ならば立場を考える必要がなく、臣を恋愛することができるのではないか」と考えた。そして、「主従関係がなくなったことで臣をお婿さんに迎えられる立場になったのよ。せっかくのチャンスを台無しにしたくないわ」と再雇用を拒んでいる。
しがらみがなくなり、素直に気持ちを伝えることをしてもなかなか恋人という関係にまで行き着かないのは恋愛どころではなかった恋愛初心者2匹のため、何をどうすればいいか分からずにいるからだ。なかなか進展しない様子に周囲の方がじれったく思っている。
他従者の目
春式の家から初陽の従者として雇われていた鶯と竹蔵。彼らは初陽が分家の者たちに引き取られる際に解雇されている。初陽を1匹にするわけにはいかないため、時には業者として屋敷に潜り込み手助けをしていた。その過程で初陽の新たな従者として寄り添っている臣くんを見定めていた。その結果、初陽の拠り所となる存在として認めた。
周囲が教えていないため、当然のことだが四式家の歴史や春式のお役目を知らない臣くんに対して「早く春式の従者として相応しい男に教育したいのう」と語る竹蔵がいたり、「初陽様の男としても相応しくするために指導したいですね」と目を据わらせる鶯がいる。
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オビうい
オビさん:ジュカイン♂
⇒「初春様」
初春
:トゲチック♂
⇒「オビ」
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ちょこれぇと味のわがまま
果たされなかった契り
春式家の長男、初春は幼いうちから確信していた。春式家の跡継ぎは初陽以上に相応しい者はおらず、全ては初陽のためにあるのだと。ならば周りが勝手に後継者争いを始める前に初陽の地位に磐石なものにしようと先手を打ち始める。後継者に託される光の石を押し付け、強制的に進化させることで後継者を確定させたり。春式家に仕える重鎮たちが初陽を支持したくなるように印象操作を行ったり。あらゆる手段を尽くした。もっとも、初陽の無垢さに心洗われ惹かれる者たちは多く、印象操作に関しては後継者は初陽以上に相応しい者はいないと後押しする程度に終えたのだが。初陽を盲信する鶯よりも盲目的な忠誠心を見せる初春。大好きな初陽に対してシスコンを拗らせていると言えば微笑ましくもあるが、自己犠牲的でもある。このままでは初春は自分の全てを初陽に捧げ、本当に欲しいものまで手放してしまうのではないかと両親も初陽も心配した。そうならないようにするため、初陽は初春専属の従者を雇うことを提案した。きっと初春のことだから専属の従者も初陽の役に立てようとすることだろう。けれど、初春自身に忠誠を誓い、初春の幸せを願って尽くそうとする。その過程で初陽の役に立つことはあれど、それは初春の願いを叶えるための手段に過ぎない。そう考える者が従者となれば、初春は初陽のことだけでなく自分自身も大切にしようと思えるだろう。
そうした考えのもと探し始めた初春専属の従者。絶対条件は初春を託せると信頼ができる者で、どのような場からも自分も助かる前提で初春を守れる実力が備わっていること。難しい条件をクリアして選ばれたのは優秀な従者を輩出している家に生まれたオビさんである。両親は家名ブランドで選んだところもあるが、決め手は「大事なういを託すのだから私の目で判断します」と。初陽がオビさんをじっくりと観察し、真面目過ぎるくらい誠実な姿勢に好感を抱いたことである。こうして春式家に雇われ、初春に仕えることになったオビさん。とはいえ、2匹の相性を確認することなく本決めするのも申し訳ない。主従というのは主が従者を信頼し、従者が主を敬愛することで成立するものである。そういった両親の考えにより、主従関係を成立する前に初春とオビさんの顔合わせをすることとなった。
専属の従者がつくという話を聞いた初春は最初、「はつを差し置いて専属がつくのはどうだろう」と。少し不満を抱いていた。けれど、顔合わせの日が近付くにつれ、その不満は薄れ期待に胸を膨らませた。重たいくらいの愛を初陽に向けているとはいえまだまだ幼い子ども。なんだかんだで自分のための存在が傍らにいてくれることに喜んでいた。毎夜、布団の中で初陽に「どんな人が来るの?」や「何が好きかな。仲良くなれるかな」など。きらきらと輝いた目でオビさんについて聞いたり、仲良くなれたらあれがしたいこれがしたいとこれからの楽しみを語っていた。そして、オビさんと出会えることを楽しみにしている初春はこれからよろしくお願いしますの意味を込めて、春式家の庭で採れる光の石の欠片をお守りとしてあげることを決めていた。そして来たる顔合わせの日。礼儀正しく挨拶しようとするオビさんに初春は無邪気な笑顔を浮かべて抱き着いた。相手がどういう人であれ、初春は受け入れるつもりだったのがよく分かる行動である。対するオビさんは初春を見たとき、本能的に初春を主人だと認めた。決して初春がオビさんよりも優れているわけではないし、優秀な従者であるオビさんを持て余しかねなかった。なんたって、跡継ぎになることはない長男で将来不透明な幼子。けれど、そんな損得勘定なんてなく、ただただ自身が仕えるべき相手なのだと心に決めたのだ。語るまでもなく相性良好であった2匹。家同士の話し合いを進め、時期を見て正式に主従関係を結ぶことが決まる。初春はオビさんが仕えることを心から楽しみにし、「待ってるからね!」と。いっとう綺麗で大事にしている光の石の欠片をオビさんにあげた。
こうして結ばれた約束。けれど、その約束は予定通りに果たされることはなかった。オビさんが来る前に、起きた事故で初陽以外の者は死亡。残された初陽は幼子であることからも跡継ぎとしての権利を分家に譲ることを条件に引き取られたのだ。事故の真相は実権を握りたい分家の者が引き起こした当時の当主とその妻を殺害する計画。そして初春は初陽を庇う形で死亡したと思われていたが、奇跡的に命を繋ぎとめていた。しかし、初春の特殊な血を利用しようと目論んだ分家が地下室に幽閉していた。その真相をまだ春式家に訪れていなかったオビさんが知る由もなく、交わされた約束は破綻。オビさんはその場にいなかった己を責め、後悔をした。だが、亡くなった者に仕えることはできず。その後、別の家に仕えることになったのだ。
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