ただ、きみは強く YOUR NAME
冬、あの肌寒い日の夜に出会ったきみの、第一印象は最悪だった。一度きり、もう会わないでいいと、そう思って名乗ったはずだった。
春、暖かくなるにつれて、氷と同じように少しずつわたしも溶けて、きみに惹かれていった。
夏、じとじとした暑さの夏だった。でも、きみといれば、それすらも愛しかった。
秋、まだ暑さの残る初秋、わたしはそれを知らなかった。でも、本当にサヨナラな気がして、いつものサヨナラを言わなかったことを後悔してるよ。
冬、冬は好き。きみと出会った季節だから。だから、きっときみが会わせてくれたのかもしれないね。

春、少しずつまた暖かくなって、君のことを思いだす。沢山してあげたい事も、言いたい事もあったけど、ごめん。もしかしたら、あいつはそれを望んでないかもしれないけど、エゴかもしれないけど、それでも、さよなら。

強引で、豪快で、でも優しくて、大きな声で笑うきみが好きだった。
出会ってからの時間を、四季を、わたしは今でも愛してる。ありがとう。

2016.09.20.fin
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