遊郭6
ーー何だったんだ。何故鬼舞辻は引いた?
とにかく此処を離れたい。
柚充は指先、足先が痺れて動かず体は起こせたものの、イライラしていた。
隊服は着物の下に隠し着ていた為、鬱陶しい着物を脱げば身軽になれる。しかし帯はなんとか解けても、紐が解けない。
「あーーもう!!首なんて締めるんじゃ無いっての!!
あとのこと考えてよ!!」
「柚充!何、地味に転がってんだ?
それにあの連絡はどういう事だ?」
柚充の飛ばした紙飛行機だけでなく、京極屋店主からも蕨姫花魁のことと雛鶴の行方を聞き出した宇髄は、その部屋を調べに来た時、柚充のイライラした声を耳にし、廊下に座り込む柚充を発見した。
「天元様。鬼の部屋を調べようとしてたんですよ。
もぬけの殻で、、ってそっちから現れたってことは
見ましたよね。蕨姫花魁じゃない方なら
今さっきまで居ましたけどね。」
「じゃないほう?」
「鬼舞辻。」
「はぁぁああ?。何でお前は1度目で引かねーんだよ!
命をなんだと思ってんだよ!!」
「とりあえず、紐解いてもらって良いですか?
着物脱げなくて」
「……………は?
ちょっ待て!!
何で俺様が柚充の身包み剥がさにゃなんねーんだよ。
この状況で派手におかしいだろ!!」
「察してよ派手柱!!指先痺れてんの!
隊服下に着てんの!!勘違いしないでよ!!」
「……派手に機嫌悪りぃ、、」
女子の成長は早いというが、、変わりすぎやしないだろうか。
ーーーーーー
隊服使用になった柚充だったが、手の痺れで上着と羽織をはおっているがボタンが閉められず、上から二つボタンが開いたままのシャツが見えていた。
宇髄は柚充の首に残る絞められた跡を見て、痺れの理由を察した。
「柚充。お前は踏み込みすぎだ。今すぐ脱出しろ。
不死川に顔向け出来なくなる」
「お断りいたします!!」
あまりにもハッキリ断るものだから、宇髄は盛大にため息をつく。この娘が頑固なのは今に始まった事ではない。
「雛鶴のとこ着くまでに回復できなきゃ
派手に投げ捨てるからな」
覚悟しろよと柚充を小脇に抱えて宇髄は走り出した。柚充は呼吸に専念する。
ーーーーーー
約束通り柚充は切見世までに回復し、自らの足で地面に降り立った。
「柚充は雛鶴を。俺は鬼の方をやる」
切見世の中にもわずかでは有ったが、鬼の気配が有ったのだ。宇髄1人だって何の問題もない。柚充はただの保険。
全てを察した上で柚充は頷く。
引き戸を開けるなり放たれるクナイ。
同じ速さで雛鶴の元へ。やはりこの人には敵わない。
雛鶴の様子を一目見て柚充はポーチから解毒薬と水を宇髄に差し出した。
「分かってんじゃねーか」
宇髄が一瞬だけニィと笑った。
「柚充。解毒薬が効くまで雛鶴の護衛。
そして一緒に吉原を出ろ」
「私はっ」
「柱命令だ。」
柚充は唇を噛む。悔しさが溢れて頷く事はせず、プイとそっぽむいた。
「…雛鶴を頼む。」
そう言い残して宇髄は切見世を出て行った。
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