病室へ2
「うるせぇ。別の部屋にしてくんねぇかなぁ、、」
「えーでも、賑やかで楽しくない?」
「俺は休みたいんだよ」
「まぁ、その気持ちもわかるけどね
うん。うん。」
「…….え?」
玄弥の目の前にしゃがんでベッドの敷き布団に手を置く白髪少女の顔。
「どもー。柚充です」
「うわああぁぁぁああーー」
柚充は叫ぶ玄弥の声を耳を塞いで鼓膜破裂を免れる。
「そんな大声出されると、私も傷付くんですけど。
ってか顔赤いよ?熱でもあるの?」
「なっっ、、おまっっ、、、髪!!」
「あ、柚充。
伊之助が言ってたのはこういう事だったんだな」
「え?」
「胡麻子が白胡麻になったとか言ってたんだ。
よく分からなかったけど理解できたよ」
「いや、理解じゃなくて、炭治郎ももう少し
驚いてくれた方が私も面白味があるんだけど……
にしても、意外と元気そうだねー。
あ!そうだ!」
玄弥のベッドを挟んで炭治郎と話をし始めた柚充はなんの気無しに身を乗り出す。
ーー柚充!近い!近い!近い!近いぃ!!!
「禰󠄀豆子ちゃんに会ったよ!!
本当に良かったね!ドヤ顔で可愛かったよ!」
「、、ドヤ?、、うん。ありがとう!」
「で、玄弥。聞きたい事が、、あ?」
身を乗り出したまま玄弥の方を向くと玄弥の頭から蒸気がボフッと上がりそのまま動かなくなった。
「….れ?」
恥ずかしさの容量を超えてのぼせてしまった玄弥なのでした。
ーーーーーー
バリーン!!
のぼせた玄弥の頬をぷすぷす突きながら柚充が声をかけ続けていると「うおおおお!!」と窓を突き破る問題児が現れた。
「ああーーー伊之助!窓割って何してんだ!!
お前、バカかよ!胡蝶様に殺されるぞ!」
「ウリイイィィ!!」
「黙れっ!」
実はずっと炭治郎と話をしていた隠の後藤が伊之助の頭を叩いても、伊之助の小躍りは続く。
「強化強化強化!!合同強化訓練が始まるぞ!!」
「?何なんだそれ?」
「わっかんねぇ!!けどな!」
その時カラカラと病室の戸が
開いた。
その場の全員の顔が凍りついた。
ーーーーーー
部屋の隅に正座をさせられしょぼくれる伊之助。みんなの目の前で窓を破壊した事をしのぶからこっ酷く叱られた。
「合同強化訓練とは、柱より下の階級の者が、柱を
順番に巡って、稽古をつけてもらうんです。
つまり"柱稽古"です」
「しのぶ様、それって私が
やってもらってきたようなやつですか?」
「それより厳しくするんじゃないですかね。
こんな機会滅多に作れない事なので」
「そうなんだ!すごいな!!」
「いろんな事を吸収して下さいね」
「誰のところから回るんだろう。楽しみだね」
「まず俺は怪我を治さないと参加できないから柚充に
追いつけるように頑張らないといけないな」
「白胡麻!どっちが先に回れるか勝負だぁああー!!」
「白くなったけど。胡麻じゃないし!背ぇ伸びたし!」
「俺より小さきゃ、胡麻は胡麻だ!!」
「、、柚充……、柚充、、」
炭治郎の呼ぶ声は柚充の耳に届かない。
「分かった!じゃあやってやろうじゃない!
絶対に伊之助より早く回り切ってやるわ!」
「胡麻味噌なんかに俺様が負けるわけねぇだろ!!」
「また!胡麻味噌って言った!私は味噌じゃないし!」
あーでもない、こーでもないと伊之助と柚充の言い合いは激しくなっていく。仲が悪い訳ではないのだが、二人揃えば何かと二人は競いあってしまう。
「伊之助くん?柚充ちゃん?ここが何処か
分かってやってるんですかねぇ?患者が少ない
とはいえ、ここは療養のための場所ですよ」
笑顔のしのぶの額に血管が浮き上がっていた。
ーーひぃぃいーーーっ!!
「「ご、……ごめんなさい」」
その後柚充と伊之助は夕方まで蝶屋敷の廊下に並んで正座させられているのでした。
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