仲間の為に3
「捌ノ型 初烈風斬りっ!!」
善逸に伸びる鬼舞辻の腕だったものを切り落とした。
「柚充ちゃん!炭治郎がっ
「大丈夫、だいたい聞こえた。
どちらにしても、やることは変わらない
無惨が立っている限りは!
とにかく斬る!!」
「あの時お前に血をやったのは失敗だったという事か。
いや、そもそもが間違いだったのか?」
柚充の姿を捉え鬼舞辻は苦虫を潰したような顔をした。少なくとも隠に連れてこさせた、小さな隊士だった事には気付いたようだった。
「鬼の血だって!
使えるものは何だって使わせてもらう!!」
ーー漆ノ型 頸風・天狗風
「この害虫共があぁぁぁ!!!」
鬼舞辻の管が縦横無尽に振り回される、倒れてしまった炭治郎が復活すると信じ、柚充だけでなく伊之助、善逸も必死に刀を振っている。しかし、柱たちの赫い刃とは違い、与えられる傷も浅ければ、その回復もあっという間である。
ーー伍ノ牙 狂い裂き!参ノ牙 喰い裂き!!
ーー弐ノ型 爪々・科斗風
伊之助と柚充が刀繰り出した直後、鬼舞辻の体から衝撃波が放たれる。
咄嗟に晴嵐風樹を放つも衝撃を全て緩和させる事は叶わず、伊之助は気を失い、柚充もまた意識が遠くなる感覚を覚えた。
ーー『意識を手放すでない!!』
体の内側から声がする。自分と同じ、しかし仰々しいその喋りの彼女の声がするならば、一つの心配が解消したという意味でもある。
ーー「…ありがとう!」
ーー『あとは奴を倒すだけぞ』
「簡単に言ってくれるな」
柚充の血に鬼柚充の血が混ざり合っていく
目が、爪が、牙が、、もう人のそれとは違うものになっていた。しかし日輪刀を手放す事はしない。
迫る鬼舞辻の腕と管に刀を構える
ーー肆ノ型 昇上砂塵嵐
ーー日の呼吸 灼骨炎陽
「炭治郎!!」
柚充の風を炭治郎の炎が巻き込み、呑み込んで勢いを増す。予想外に立ち登る炎に驚き足を止めた柚充に対して、炭治郎の動きは止まらない。
立て続けにヒノカミ神楽を舞い続ける。
ーーそうだ!!止まっちゃいけない
ーー壱ノ型 塵旋風・削ぎ
陸ノ型 黒風烟嵐
胴を切りつけるものの、鬼舞辻の足が柚充に振り抜かれる。腕と管の攻撃ばかりだったため、足を注意する事を怠ってしまった。蹴り上げられた体は地面を転がっていく。
ーー霹靂一閃!!
入れ替わる様に善逸が走り込み、伊之助と炭治郎がそれに続く。しかし、伊之助は鬼舞辻の腕に吹き飛ばされ壁まで吹き飛ばされる。
柚充は顔を上げ立ち上がった。
悲しい夜は今日でおしまいにするんだ。
鬼と知っても背中を預けてくれた人がいる
鬼と知っても仲間と言ってくれた人がいる
鬼と知っても命の使い方を解いてくれた人がいる
鬼と知っても身を案じてくれる人がいる
ーーまだ!まだ私は闘える!!
柚充は走り鬼舞辻に日輪刀を振り続ける炭治郎へ目を向ける。
その時、炭治郎の体制がガクンと崩れる。鬼舞辻の腕が炭治郎へと振り下ろされていく、、
柚充では間に合わない。戦場から思いの外引き離されてしまっていた。柚充は必死で足に力を込める。
ーー霹靂一閃 神速
雷を纏い彼が鬼舞辻へと突き進む。善逸は炭治郎から鬼舞辻を遠ざけただけで無く、もちろん意識してやった事ではなかったが、反対に柚充の攻撃範囲内に鬼舞辻を押し込んだ。柚充は善逸に迫る腕を捉えると走る勢いのまま体当たりし、狙いを逸らすと黒風烟嵐で斬りかかる。
「しゃがめ柚充ちゃん!!」
ーー日の呼吸 日暈の龍・頭舞い
善逸の声にすぐしゃがみ込むと、柚充の体を飛び越える様に炭治郎が鬼舞辻へ飛びかかる。
続けて烈日紅鏡を目の前の鬼舞辻本体へと繰り出す中、鬼舞辻の管が背後から炭治郎へと迫っていた。顔を上げ柚充が刀を振るものの、数が多すぎた。
防ぎきれなかった管の尖った先端が柚充の体に突き刺さる。
ーー陽華突!!!
炭治郎は足を止めずに鬼舞辻を壁際へと追い込み、日輪刀でその体を磔にした。
鬼舞辻は身動きが取れなくなり、柚充に刺さった管を抜き去る。配慮などあるはずもないその動きに柚充の傷口からは血が溢れ出した。思いの外、血の凝固が遅く体が重くて仕方ない。鬼舞辻の管は炭治郎の背後へと狙いを定めていく。
「、、痛いっての。」
動きたいのに動く事は叶わず
柚充の体がガクリと崩れ落ちた。
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