煉獄家3
「っ!蜜璃様!もう無理!痛い!痛ーい!!」
走ること、持久力、吸収力は優れていた柚充だったが、柔軟は人並みだったようだ。
「これって煉獄様の訓練で駆使した体の
調整じゃないんですか!!?」
「そうなんだけど、でもでも、
体は柔らかいに越したことはないわ」
体の可動域が広がれば、それだけ体を大きく使う事ができる。確かに反論はできない。
「ね!もう一度よ!」
「ブチッてなる!ブチッてなる!
これ以上はー!いーたーいー!」
後に聞いた話では杏寿郎が柔軟体操中に様子を見に訪れた際、柚充の口からは半分魂がぬけているように見えたと言う。
地獄の柔軟を終え、道場の床に転がっていると煉獄が現れ、それと共に何処からか甘い匂いがしてきた。
「柚充にも不得意があるとは、
これで妖の類ではないと言う証明になるな!」
「……最初から人ですー。」
すいません。今動けません。と言うと、杏寿郎は「気にしていない!」と豪快に笑った。
痛みが引いた後は体が軽くなると言われたが、今は全く信じられなかった。
「あの、、何やら甘い匂いがしますが、、」
「ああ、あれか?千寿郎と甘露寺が小豆を炊いている」
「小豆?」
杏寿郎は千寿郎の作るご飯もうまいが、甘味も美味いぞ!と嬉しそうに笑った。
「煉獄様は、千寿郎くんの事大好きですね」
「うむ。大切な家族だ」
「明日は不死川の任務もあける!
朝から千寿郎の炊いた小豆を使っておはぎを作る!」
「、、おはぎ?」
「不死川の好物だな。本人は隠している様だが。」
杏寿郎と柚充は顔を合わせて笑い合った。
昨日の師は杏寿郎。今日の師は蜜璃。
そして明日の師は千寿郎。
柚充の世界も広がっていようだった。
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