煉獄家4
「もち米とうるち米を炊いたご飯をまとめる時に
手を塩水で濡らすと、
程よくご飯に塩味が付いて美味しくなります」
「そうなんだー!」
柚充が目をキラキラさせて感動しているのを見て千寿郎は照れ笑いをしていた。
「形が上手くいかないのは?」
「あ、それは…ここを、、」
「うむ!美味い!」
「……兄上、もう少しで完成しますから。
蜜璃さんも我慢しているんですよ。
あれ?……蜜璃さん?!」
「もーお腹と背中がくっつきそうー」
半泣き状態で床に倒れていた蜜璃を見て、千寿郎はおはぎを二つ皿に乗せて、もう少しだけ待ってくださいねと渡していた。
なんとも微笑ましい。
千寿郎の指導の下大量のおはぎが完成した。
蜜璃はこの後任務があった様で7割のおはぎをお重に詰めて、持ち帰った。
「あの、お父様とお母様に…」
杏寿郎は少し悲しい顔をする。初日に父槇寿郎は挨拶した際「ここはいつから寺子屋になった」などと言われていたからだ。
「でも、泊めていただいたお礼を言うのが筋です。
大丈夫です」
「失礼します。槇寿郎様。
お泊めいただきありがとうございました。
おはぎを皆で作りましたので、
良かったら食べて下さい」
お母様にもお供えさせていただきますね。と。
返事はない。それで十分。感謝の言葉だけは言いたかったから。
槇寿郎がこちらを向くことは最後まで無かった
ーーーーーー
実弥の鎹鴉が杏寿郎の元へ飛んできた。
もしかしたら、門の外でなんと声をかければ良いのか悩んだ挙句鴉を飛ばすことにしたのでは…なんて柚充は思って口元が緩んでしまった。
「不死川が来たぞ!」
「はい!」
それを聞いた千寿郎が柚充におはぎの入った包みを差し出す。
「またいつでもいらして下さい」
「ありがとう!お重と風呂敷は早めに返しにくるね」
手を振ると小さく手を振りかえしてくれた。
ーーーーーー
「……実弥様!お疲れ様です!」
「あぁ。」
柚充が実弥に走り寄ると後ろから煉獄が出てきていた。
「不死川!無事戻られて何よりだ!
柚充の稽古もなかなか面白いものだったぞ!」
「、、面白い…?」
「そこでだ!今回の様な時など、
他の柱達にも預けるのを勧める!
もちろん俺の手が空いてる時は俺が見ても良い!
宇髄も柚充に興味ある様だったしな!」
考えてみてくれ!と言うと、相変わらず実弥が口を挟むまもなく柚充の頭を撫でて屋敷へ戻っていった。
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