勘違い3


「なあぁぁぁー!」
人は驚いた時、言葉はすんなり出てこないらしい。
実弥も人の子であったと言う事か。


「追え!不死川!」

伊黒の言葉にハッとして柚充を追って外に出た。しかし既に柚充の姿を捉える事はできなかった。


《うちの嫁達が面白がって忍びの訓練付けたんだが、
 それもそれなりに形になっていたぜ》


ーー"ぜ!"じゃねーよ!
  あのキラキラ派手派手男(と嫁)!!
  よりによって忍びの訓練だと!!一体どこだ!!



柚充に逃げられました。



実弥が柚充を追いかけ飛び出してから、蜜璃は伊黒に話を聞いていた。
まだ言ってないとは呼吸や型の話。それを実弥はまだ子供だと躊躇している。そして宇髄や、煉獄も柚充の潜在能力に惹かれていて、柚充もまた彼らに懐いている事をかんがえると、継子にという運びになってしまうかもと言う事だった。

「わたしすごい勘違いを……探さなきゃ」
勢いで立ち上がる蜜璃を伊黒が止めた。
"これは不死川がやらなきゃいけない事だ"と。


ーーーーーー

実弥は走っていた。
柚充の行きそうなところをしらみ潰しに回る。
蝶屋敷、煉獄家、なんだかんだで全ての柱と面識があるが冨岡と宇髄は遠方の任務でいないからいいとして、残るは霞柱、岩柱…

可能性として高いのは時透の方か?

再び走り出そうとすると、実弥の元に一羽の鴉が舞い降りる。
ーーこの鴉は……



ーーーーーーー


「……風柱。、、今玄弥は居ない。
 そしてお館様の託し子はここに。」

悲鳴嶼の大きな背中に隠れる様に、柚充は丸くなって寝ていた。
初めに柚充を見つけたのは時透だったそうだ。時透には年齢や記憶の不安があるため、他の柱の訓練に居合わせることはあっても柚充を預かり訓練するということは今までしていなかった。しかし、見た記憶のある子がまだ明るいとはいえ、ふらりふらりと歩くのをみて保護したのだという。けれど彼はこの後任務で出なければと言うところだった。そこに悲鳴嶼と会い今に至る。

何があったか聞いても答えないので、聞く事はやめ瞑想を始めると、真似るように柚充も瞑想を始めた。
「なれば無理に聞き出すこともなかろうと。
 ……気づくと寝ていたのだが。」



「時に風柱。この娘を継子にしていないのは
 玄弥を気にしての事か?」
「俺に兄弟はいない。気にする必要もない」

玄弥を鬼殺隊に入れたくない。でもその優しさの表し方を知らない。だから拒絶する。

「ここからは聞き逃してもらって構わない。
 ……この娘を継子すると、玄弥は確かに面白くないと
 僅かでも思うだろう。
 この娘を恨む気持ちも湧いてくるかもしれない。
 しかし、
 お館様の託し子である意味を理解できない奴ではない。
 それにきっとこの娘は人を魅了する。」

「心配はないと思うが、
 この娘をを潰す事はだけないようにな」
ーーお館様は柚充に「心のままに」と言ったのだ。
「しかし恐れてはいけない風柱。」


ーーーーーー

背におぶり柚充を屋敷に連れ帰る。目を覚ましたようだったが知らないふりをしていた。屋敷までまだ距離はある。
「実弥様。……蜜璃様はダメです。
 、、、蜜璃様には伊黒様が居ます」
「はぁ?寝ぼけてんのか?
 それにあの状況を見て言うのはそこか?」
「ダメなんです。絶対です」


「……もう少し寝てろ」


再び柚充の寝息が聞こえてきた。




注)玄弥が悲鳴嶼の所にいるのは選別後な気がしますが、、もう居ちゃってすいません。
 




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