藤襲山3


隠が置いていった痛み止めを飲み、動ける様になった柚充は、続いて折れた腕に添え木をして包帯でぐるぐる巻にした。
しかし、全く使えないのでは難儀なので、なるべく最小限に留めている。そしてこれ以上無理はできないので再び木の上に隠れ7日目を生き抜いた。



7日目を迎えたのち、藤棚へ戻ると始まりの時と人数の違いは歴然だった。

ーー良かった。カナヲも居る


「おかえりなさいませ。」
その言葉と共に、鬼殺隊の説明がはじまった。
しかし、限界を越えている柚充の視界は霞む

ーーやばい、意識が、、


「この子から手を離せ!離さないなら折る!!」
意識を覚醒させたのは選別通過者同士の言い争いだった。紫の少年が童女に危害を加えたから。
やってみろ!と挑発すると波模様の少年が力を込め、紫の少年の腕から鈍い音が聞こえた。

「お話は済みましたか?」
何事もなかった様に再び話が再開された

その後玉鋼を選び、隊服の寸法を測るなどしてそれぞれの地へ帰ってゆく。


柚充は腕を折られた少年の所に近寄っていった。彼の行いは決してやって良いことではない。それでも怪我が痛むのは誰しも同じの筈。
「……これ、痛み止めです。」

少年は腕の事だとすぐに察したようだが、柚充を視中に捉えると、少年の目はみるみる怒りの色に染まっていき、痛み止めを振り払うと柚充の胸ぐらを掴んだ。

「俺は、お前が大嫌いだ!」


突き放され地面に落ちると、去って行く少年が薬を踏みつけて行くのが見えた。

悲しさが一気に疲れへと変わって行く。体が泥の中へ埋まって行くようななそんな感覚に柚充はそのまま意識を手放した。
 




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