入院
柚充はベットに横になっていた。
痛み止めで誤魔化し続けた体は、動いていたのが不思議なくらい悪化していた。しのぶから3週間絶対安静を言い渡され、呼吸の訓練でさえ禁止されている。その上一度失踪した前科があるので隠の監視までついていた。
任務終わりに蜜璃が伊黒を伴ってお見舞いに来たり、宇髄や、煉獄が最終選別の通過を祝いに顔を出してくれる事はあったが、一週間がすぎても実弥が病室を訪れる事はなかった。
動けないだけで目は覚める。
何もできないので、よくない想像ばかりが解けない雪の様に心に積もり続ける。
「……もう、、わらえないよぉ、、」
訪ねてくる人に心配はかけたくなくて、一生懸命笑顔を作っていたけれど、それさえも辛くなってしまった、、、
ーーもう、実弥様は私と向き合ってくれない
かもしれない。
、、、もう継子ではないのかもしれない。
私の帰る場所はないのかもしれない、、。
私はどうして我を押し通してしまったんだろう
…実弥様はなんて言ってた?
《今回の最終選別は諦めろ。また直ぐ次の選別が来る》
ーーあぁそうか…。行かせないと言ったんじゃないんだ。
次の選別にしなさいと言ったんだ。
怒らせたんじゃない
私は実弥様を悲しませてしまったんだ…。
『俺はお前が嫌いだ!』
名前も知らない少年から突きつけられた言葉が実弥から言われたような気さえして涙が流れ止まらなくなってしまった。
もう痛みの引いたはずの頬が痛む。柚充は隠に気づかれない様に声を押し殺して泣き続けた。
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