入院3


「何故、柚充を見舞ってやらない。」
夜間見廻り任務の帰り道、冨岡に声をかけられたことに実弥の機嫌が一気に悪くなる。

「あぁ?…お前に関係ねェーだろ」
「不死川、お前の継子だろ。」
「何故見舞ってやる必要がある!」

ーー言うことも聞かずに選別に参加して、
  悪化させて帰ってきたのは柚充なのだ。
  むしろ勝手をしたのだからその分苦しむのは当然。

「今日、柚充の刀の色がかわらなかった(そうだ)」

ーーは?そんな事があるのか?

「呼吸を使える者の刀の色が変わらない例は少なく、
 刀を打った刀匠も困惑していた(そうだ)。
 そして(胡蝶によれば)柚充は泣き叫び
 眠りについた(らしい)」

実弥の瞳が揺れるが動き出す気配もない、、冨岡はそんな不死川に苛立ちを覚えた。
「何故、お前は己を慕う者を顧らない。
 何故、縋り付く手を取ってやらない。
 何故、突き放す!
 不死川!あの子がお前を選んだのであって、
 お前が望んだ事では無いと言いたいのかもしれないが、
 お前はあの子を継子として育てる決意をした筈だ、
 己の意に背いたから突き放す?!笑止!
 師となったのならば、
 弟子に道を示してやるものではないのか!
 それとももう手をかけてやる気がないのならば
 その様にさっさと言ってやれ!
 柚充の師であれば引き受けるものなど直ぐに現れる!」

冨岡は「よく考えろ」と吐き捨て実弥の返事も待たずに居なくなった。


ふと空を見上げると今日は満月だった。

思い浮かぶ姿は、笑った顔ばかりなのに柚充は泣いている、、
柚充の後ろ姿がと遠ざかっていく幻覚をみた
 




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