続・初任務
純斗親子、子どもたちと別れてから、隠に案内され宿に通された。今日はここで休んでいいと言う事らしい。
まだ夜明けまでは時間があり体を休めるのはありがたい。ご飯も食べてないし。正直鬼の髪の毛を巻き取った腕が折れたりはしていないが痛む。
窓を開けて風にあたる。
少し冷たさの残る風が心地いい。
「……あ」
風に乗って微かに鬼の気配を感じた。
「失礼します、柚充様……。
えっ、あっ!柚充様?!」
ちょうど窓枠に足を掛けた所で隠が部屋を訪れたようだ。
「鬼がいる、ちょっと行ってくるね」
窓枠を蹴る力を推進力に闇夜に飛び出した。
ーー多分街の外
被害が出る前に辿り着かなきゃ…
鬼の気配に近づいた頃、鬼殺隊士が交戦しているのが見えた。
刀を抜いているもののへっぴり腰なのが気になる。
ーー手助けした方がいいのかな?
様子を見ていたが、不安ばかりが膨らむ戦い様に我慢できなくなった。
ーー私は帰って寝たい!!
「そこの人!うまく避けてねっ!
風の呼吸 壱ノ型 鹿旋風・削ぎ」
異形の鬼では無かった為、崩れるように消えて行く。
無事柚充の技を避けた隊士が地面に膝をつき肩で息をしていた。
「お兄さん大丈夫でしたか?」
『かかったな』
「……え?」
柚充は隊士の歪んだ口元を見た。
肩を押され、体はまるで崖から突き落とされたように地面に背中から吸い込まれていく。
鎹鴉は柚充を見失った。
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