不死川邸
ーー……なんだか屋敷が綺麗になっている気がする。
「……あ、実弥様。おかえりなさい」
雑巾やはたきを持った柚充が居た。
「洗濯物はあちらに。ほつれていたのは繕っておきました
………あ、腕!腕出して下さい!」
「お前、、その前に何か忘れてねーか?」
痛い所つかれましたと言わんばかりに柚充は固まる。観念して大きく息をつくと実弥に向き直った。
「……呼び出し断ってすいません。………でも、
殴り書きじゃ怒られると思うじゃないですか。
それに、お館様からの言伝だったらそう書いて下さい」
「怒られる覚えがある奴が悪い」
「……今回は失踪したくてしたんじゃないもの」
子どもじみた言い訳なのは分かっているけれど、前科があるだけ強くは出られない。
気まずくて下を向いて口籠る
「心配させられる身にもなれ」
ーーえ?
驚いて顔を上げたが、実弥の顔を見る前に髪の毛をくしゃくしゃにされた。手が離れたと思ったら風呂と逃げられてしまった。
くしゃくしゃにされた髪を直しつつ、その背中を見送った。
ーーーーーー
「こんばんわー柚充ちゃん」
掃除用具を片付け、ご飯の支度をしているとしのぶがやってきた。
「那田蜘蛛山で背中打ったって
伊之助くんが言ってたから、訪問診察に来ましたー
今いいかしら?」
「あ、大丈夫です。すいません。
私が寄れば良かったんですけど…」
「良いわよ。あの子達みたいにボロボロじゃないもの」
背中を出さなければいけないので、火の元確認して自室に移動することになった。
「あの。皆、怪我は大丈夫ですか?」
「そうね…無事ではないけど、
大人しくしてくれれば大丈夫よ」
「……あの3人に大人しくするなんてできます?」
アオイの苦労が目に浮かぶようだ。
「じゃ、前はもちろん隠してていいから、
背中見せて下さい。」
「はい。お願いします」
しのぶは背中の骨を指でトントンと叩きながら、異常がないか調べていく。
「んー背中の方はとくに異常無さそう。
ちゃんと呼吸できていたみたいね。
赤みも引けばアザにもならないと思うわ。
そっちの腕もこれと言って心配無いようね」
じゃあこっち向いてとしのぶに言われ座り直す
「おい、誰か来たのか?
あ…」
「え?」
来客に気づいた実弥はなんの気なく声を掛けながら襖を開けてしまった、、。
目に入るのは柚充のほんのり赤みを帯びた白い背中……。
柚充の顔がみるみる赤くなって叫び声を上げた。
「……のあぁぁぁあー!」
しのぶは近くにあった柚充の羽織かけて肌を隠し、実弥を部屋の外に追い出すように共に出て行った
「柚充ちゃんだって
いつまでも子どもじゃ無いんですから!!
入る時は声を掛けてからにしなさい!!」
実弥にしのぶの雷が落ちた。
ーー良かったね。
しのぶ様が雷の呼吸の使い手じゃなくて。
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