師弟任務3


『お姉さん。やっぱり鬼殺隊だったね。
 隣のお兄さんは稀血だし僕ツイてる』


「実弥様、あの目……寝不足すぎません?
 あんなに真っ赤になりますか?」
「……お前なー。真面目にやれ。」

柚充は地を蹴る。頸を落とせば終わるのだ。

少年の鬼は動かない。刃は届く。そう思った……


『お姉さん?僕を守ってくれるんだよね?』
「え……」
思いとは裏腹に柚充の足は止まる。

ーーなんで?

柚充の体は鬼を背に実弥にその刃を向けた。
自身の体が勝手に動くことに驚いて目を見開く。

『あははは!操れちゃうんだよ。
 "約束"したでしょ?』

柚充の体が地を蹴る。
刀を振り上げ実弥に斬りかかる。実弥は刀を抜き受け、すぐさまもう一度刀を振る。柚充は実弥の刀を受けたの反動で後ろへ飛ぶ
「お前、操られるとか馬鹿なんじゃねーの」
「いや、私だって驚いてるんですって!
 ってか!迷子助けたつもりが鬼って!
 人の良心なんだと思ってるんですか!!」
「つべこべ言わず殺す前に、何とか方法考えろ」
「わたし、実弥様に殺されるの?!!」
「いつまでも加減できるかわかんねーからな。」

己の体の主導権を取り返そうと、唇を噛んで刺激を与えてみたが、一向に自分で体を動かす事ができない。何か打開策はないのかと視線を巡らせる。

『お姉さん?首の後ろ気をつけてね
 それ落ちたらお姉さん死ぬよ?』
首の付け根を触らせられた。そこには小さな肉芽ができていた。
「何これ!!気持ち悪っ!!」
『それ?血鬼術を解くか、
 僕の頸を落とさないと消えないよ』

高みの見物を決め込む鬼。木の上で足をバタバタさせていた。


『でも、お兄さん強いみたいだから、面白くないなー。
 あははは。良いこと思いついた』


尚も柚充と実弥は刀を交えていた。攻撃自体は単調で鬼は柚充を操り切れてはいないと読んでいた。その証拠に型を使った攻撃はない。しかし、無理な体の使い方では、体への負担も大きかろうとも思う。実弥は切りかかってきた柚充を蹴り飛ばした。
柚充は地面を転がる。

「実弥様、流石に酷くないですか?」
「日常茶飯事だろ」
「そんな日常あってたまりますか!!」


『お兄さん?これ見える?』

鬼が指した先には少年と母親が震えていた。
しかし、問題はそこではない。少年の手には包丁が握られており母の首にあてがわれていた。

『お兄さんが一歩でもその場から動いたら、
 母親殺しちゃうよ?

 さあ?どうする?』
 




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