師弟任務6


現場を隠に引き継ぎ、柚充と実弥は帰路に着く。
「またあの距離移動するんですよね」
「当たり前だ」
「ひと仕事終えたんですから、
 少しくらいご褒美があっても……って、なんですか!
 その顔は!ってか今回実弥様は指示するだけで、
 実際私の手柄じゃ無いですか?少しくらい労って
 くれてもバチは当たりませんよ!」
「目開けて戦ってから言えや」
「うっ……」

そこをつかれてしまうと、言い返す言葉も無くなってしまう。更に言ってしまうと、そもそも鬼の策に、まんまとハマったのも柚充なのである。

「でも、あの包丁少年気絶させて仕舞えば、実弥様
 動けたんじゃないんですか?別に私1人で
 乗り込まなくても良かった気がするんですけど」
「首の後ろのやつを、鬼の意思で落とせるとしたら?」
柚充は思わず目をぱちくり。「実弥様もちゃんと考えて戦ってたんだ」なんて失礼極まりない事を考えてしまった。

ーーにしても、少し自分を甘やかしたい!
その時柚充の頭にまるで電気がつく様に良い案が浮かんだ。これなら絶対聞いてくれる!


「実弥様!おはぎ食べたいです!!」


ーーーーーー


甘味処に入ることは断固拒否されてしまったので、柚充が買って移動して食べる事になった。
まぁ、甘味処に殺の字背負った人が来たら美味しい甘味も味が分からなくなってしまうだろうから、この選択で良かったのだろう。
「鬼を殺し尽くすっていう信念があるのはわかりますけど、
 何かと不便じゃ無いですか?ほら、、
 山の中に派遣されることばっかりじゃないでしょうし」
「関係ねー」
「警官とかに捕まらないんですか?」
「……」
いろいろ聞いてたらついに返事をしてくれなくなりました。
「人通りも少ないですし、あの辺でいただきましょう」
河原に座って並んで食べる。
いつのまにか実弥の服装はいつも通りに戻っていた。


「お前は、俺のところ選んだ事後悔したことねーの…」

ーー逆に聞かれるとは意外な。。

「んー…悩んだ事はありましたよ。
 でも、後悔はして無いと思います」
「いつも訓練逃げ回ってたじゃねーか」
「ちょっと困らせてみようと思って」
「お前な……」
「嘘です。
 全部が全部実弥様から逃げてたんじゃないですよ」
「どういう意味だ…」




「不死川様失礼します。
 柚充様。鶴梅様に目覚める兆候が。
 里にお越し下さい」

隠が2人の前に現れた。何度か見覚えのある隠だった。
「、、鶴梅?」
「隠の里で私の世話をしてくれていた人です」

「柚充様には鶴梅様を討って頂かなければなりません」
「はぁ?鬼以外を切るのは隊律違反じゃねーか。
 隠は親殺しをさせるつもりか!」
「鶴梅様は鬼です。それにお館様はもうご存知です」


「実弥様、先に屋敷に戻ってください。
 もし、経緯を知りたければ、お館様に尋ねてください。
 私がそう言ったと言えば答えてくれますから」
「……1人で行くのか?」
「近しい人を討つところなんて見られたくはありません」
柚充は苦しそうに。でも笑った。

「……… 柚充」

「…こういう時だけ名前を呼ぶのはずるいですよ。実弥様。」



ーー行きたくなくなってしまう……
  でも、ごめんなさい。


「行ってまいります」


柚充は振り返らなかった。
 




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