鶴梅4


冨岡が走らせた隠の知らせの後、お館様こと耀哉は歪んでしまった里を解体させ、鶴梅は一部の人にしか存在が知られないよう内密に別の里へ移動させた。

里にいた隠は柚充の負傷した姿を目の当たりにして自らの行動の重さを感じ、辞めて去るものや、他の里へ移動を希望するものなど様々であった。

柚充はその時産屋敷で引き取られる。もちろん、柚充の血の心配はあったため、しのぶに誰の血かは伏せて血液の検査もさせたが、人の血と何ら変わったところはなかった。産屋敷での生活でもおかしな行動も見られなかった。
そして傷が癒えたのち、柱たちへ託される。

ーーーーーー

「少し懸念が残ってね、
 本来ならば任務に忙しい柱ではなく、育手に預ければ
 事足りる話だったんだろうが、隠の里に鬼が入り込む
 なんて事は普通ではありえない
 鬼から救い出された子。
 隠の鍛錬についていける子。
 日輪刀の色を変えた子。
 あの子はそれだけではないのかもしれない。
 だからあえて柱に託す事にしたのだよ」

その先は私より実弥の方が詳しいだろう
と柚充のこれまでの説明が締め括られた。
しかし、実弥には疑問が残る。

「お館様は二点説明しておられない。
 鬼ならば斬れなくとも、日に晒して焼き殺せばいい。
 その鶴梅とやらを始末していない理由と、
 柚充に鶴梅を討たせる理由です。
 アイツに母親殺しをさせるために訓練をさせたと
 いうことなのですか?」
「実弥。母親殺しという言い方は良くないよ。
 柚充は鶴梅を本当の意味で鬼にしたくないから
 刀を持つ決心をしたんだ」


ーー本当の鬼、、人を殺め血肉を喰らう事。


《母様が目覚めて鬼になってしまっているならば
 私が母様を討ちます。……必ず。
 だから私に力をつけて下さい》


「義勇だけでなく、無一郎にも鶴梅のところへ
 行ってもらった事はあるが、無一郎にも鶴梅を斬る事は
 できなかった。そして鶴梅は今も眠り続けている。
 そして、鶴梅が残されてきた事にも理由はある。
 鶴梅は鬼の動向をうわ言のように告げていたのだよ。
 だから、鶴梅は生かされてきた。」



ーーーーーー

「母様。いろんな事があったんですよ…」

眠る鶴梅の傍らに柚充は膝を抱えて座っていた。
鶴梅の手を取るも、記憶の鶴梅の手とは違いすぎて涙が出そうになる。

柚充はぽつりぽつりと鶴梅に語り出した。

母様は喜んでくれないと思うけど、鬼殺隊に入ったよ。
風柱の実弥様が面倒見てくれていてね。
傷だらけで目付きも怖いけど、優しいよ。
なかなか名前は呼んでくれないけどね。
でもとっても良い人だよ。
柱の方々が訓練してくれてね、私強くなったよ。
母様を守りたくて頑張ったんだ。
治療の方法も教えてもらったから、少しの怪我なら、
対処もできるよ。
そうそう、
カナヲとアオイと炭治郎、善逸、伊之助っていう仲間も
いるんだよ。
アオイは鬼を討つ任務には出てないけど、
怪我の治療とか教えて貰ったし、仕事をテキパキこなす
カッコ良いお姉さんだよ。カナヲとね任務から戻ったら
甘味処行く約束してるんだ。
母様……私、笑顔で過ごしているよ。
母様ともっとお話ししたいな……。


頑張ったね。偉いよって。って言ってほしいな

ねぇ、母様、、大好きな笑顔見せてよ…。
 




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