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《本当ニ?ソレハ現実ナノ?
……ソレハ誰カガ描イタ幸セナ終幕。
実際ハ違ウヨネ?》
真っ赤に染まった口元が三日月の様な弧を描いていた。
「……っ!!!」
不死川実弥は布団から飛び起きた。
まるで首を絞められていたかの様に苦しくて短く呼吸を繰り返す。視線を落とし無意識に触れた額には汗が浮かんでいた。
ーー胸糞悪りぃ。
どんな夢を見ていたのかハッキリとは覚えていない。ただ真っ赤に染まった口元が笑みを浮かべたそれだけは嫌というほど刻み込まれていた。
「………ひいろ、、」
めでたしめでたしで終われればどんなに幸せだったことか。
ひいろはひいろのままで匡近を想って彼の元へ向かう。例え死んでしまった後でもあの世でまた再開する。そうあってほしかったと心からおもっている。それなのに、どうして世の中はそう上手く話が転がってくれないんだろう。
気怠い体を起こして顔を洗いに部屋を出ると、見計らったかの様に隠が姿を見せた。
膝をつき頭を下げる姿を見て、柱になったという事を再認識させられる様な気がした。
「外套の鬼の目撃情報がありました。
場所は下弦の陸を貴方と粂野さんが討ったあの町です。」
そう。
ひいろは討つべき鬼へと変わってしまった。
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