夷険一節の心持にて
文久三年師走
流れるままに身を任せ
此れも定められた運命なのだと
融けた雪の在り処
文久四年睦月
山吹の開花を待ち望む
ペネロペイアの涙
文久四年如月
落ちた椿は涙す
元治元年弥生
黄昏るる黒猫の如く
元治元年皐月
獨り憐む幽草澗邊に生ず
元治元年水無月
純真少女は桜草の夢を見る
いざ、目指すは池田屋
罪深き思ゐ出によく似て
凛と咲くや大和撫子
その双眸、涙こそ落つるなかれ
元治元年文月
懐かしい地獄
元治元年葉月
女に生まれた地獄
元治元年長月
曼珠沙華は匂ふに紅く
元治元年神無月
拝啓で始まる懺悔を
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