もう一度
バサっ!!
「……それは、、」
「流石に本物じゃないですよ
記憶を頼りに作ってもらったんです」
柚充に案内されたのは道場。
そこで柚充は一度奥へ消えた後、竹刀を手に現れた時にはその背に羽織をはおっていた。
「平和になったのに、
あの時代を追うだなんて何だか変な話ですけど、
私はみんなと過ごしたあの時代も宝物なんです。」
「柚充にとって悲しいばかりの記憶ではないならば、
それは俺にとっても幸せな事だ。」
2人笑い合ったのち、竹刀を構え向き合う。
『また、手合わせしてくださいね』
『ああ。楽しみにしている』
蘇る記憶はどこまでも鮮やかで口元が綻んで仕方ない。それでも、雑念を払い竹刀を握り直す。
すうっと呼吸が揃ったタイミングで2人は道場の床を蹴ったーーーーー。
ーーーーーー
「悔しいですねー。
昔はもっと動けた気がするのに。」
「それはお互い様だ。
今世でも、父の道場で稽古する事もしばしばなのだが
こうも苦戦を強いられるとは」
杏寿郎の手は柚充の頭にたどり着くと優しく撫でていた。
「………あ、、柚充の策にハマってしまった」
「えぇ?!!私そんなつもりじゃっ!!」
柚充の慌てた様子に杏寿郎は声を上げて笑う。
「煉獄様、ありがとうございます。
やっぱり煉獄様は私のおひさまです」
会いたい
話したい
笑い合いたい
撫でてほしい
手合わせしたい
もう一度。
いいえ。
だって、もう一度出会うことが出来たのだから。
何度だって。
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9000hitありがとうございます!
リクエストはありました。ですが、そちらは新たな連載のお話として扱わせていただく事になりましたので、完結しても、読んでくださる方が居る「心のままに」の読み切りをお届けさせていただきました。
夢主ちゃんと煉獄さんも会ってほしかった。ただそれだけです。
運命の人だから必要、それ以外は要らないわけではなくて、、とにかく、折角再会した皆さんはこれからも、言葉にできない繋がりで交流し続けてもらいたいのです。
何だかまとまりのないあとがきとなってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。
今後も「うたかた」にお付き合い頂けましたら幸いです。
22.5.14
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