花霞
好きです、
 ──好きになって、ごめんなさい


前書き

01 愛してる、なんて大それたこと云えなくて、そっと気持ちを胸に秘めました。
02 愛しいと思う心に際限はなく、ただ貴方は私を逃げようもない愛へと誘っていく。
03 いつかこの腕、朽ちいく永遠を看取るまで、(優しさの眼に守られながら)
04 君は想う、君を想う、けれどそのさざ波に似た心の行方をだれも知らない。
 死なないでと哭くこころ(掌中の花は咲かず笑わず灰となることを望んだ)
05 狡いよ。愛しいのに。愛しくてたまらないのに。狡い君は笑って身を翻す。
06 本当に大切だからこそ伝えてはいけない真実がある、しかしそれは優しさなのか否か。
07 雨に想いは沈んで、溶けて、ただそれだけの想いで、ただ想っていた。
08 ひっそりと受けた口づけは甘く切なく、伝った雫の意味さえ知らぬまま。
09 ほんの少し恋情に浸れたのなら幸せだったのに、溺れた私の戯言が響いた。
10 危うい氷上を進むように君を探してる、ただ君の微笑みを抱きしめたくて。
11 私を責めるのか、私の代わりに泣くのか、理由も知れぬ雫に心が騒いだ。
12 世界中で最も陳腐な言葉を君に贈ろう。(そんな言葉でしか伝えられない)
13 花霞


後日談
流されて燈された、もっとそっとずっと、君に触れている時間を。
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