子飼いの狗
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紀元前244年
韓侵略戦〜馬陽防衛戦
微睡みの世界に手を振って
何故か背中が大きく見えた
力の片鱗すら見せていない
まるで嘲るように存在した
たったひとつされどひとつ
幸せな夢ばかり見ていたの
キミに最上級の愛を贈ろう
追悼の灯をともしましょう
紀元前243年
秦趙同盟
飛ぶための翼を磨いていた
このひとときすら息苦しい
対峙するのは人間か怪物か
繋がるえにしに絡め取られ
次の逢瀬を約束しましょう
紀元前241年
合従軍襲来
開戦の準備は静かにあった
用意された地獄へようこそ
空高く燃えさかる雄叫びよ
ぐるぐる回る時計のように
甘くない真夜中の逢瀬にて
ただ前に進むしかないんだ
お前にこのクビは勿体ない
よく目を凝らして掴み取れ
その声は、まるで光だった
「無理」なんて言わないよ
約束をしよう、また明日と
あなたが夢を目指すかぎり
せめて、最期に見るならば
か細い糸を手繰り寄せたの
わたしはお前を越えていく
月に見守られて乾杯しよう
あの人の背中に手を伸ばせ
紀元前239年
著雍攻略戦
それは夢中になるくらいの
悩むくらいならぶちまけろ
垂らされた蜘蛛の糸を掴め
正解に喰らいつきたいから
貴方が見ていた景色ですか
正体不明に踊らされる少女
何度も夢に見た世界だった
紀元前238年
加冠の儀〜膠毒の乱
ついにこの日がやってきた
例え裏切り者と呼ばれても
まもりたい命が多すぎるよ
守れないならでしゃばるな
溺れかける寸前に救われた
紀元前237年
黒羊攻防戦
いとも簡単にかき乱された
ココロが叫んで張り裂けた
雁字搦めの鎖はほどけない
始まりの始まりに踏み込め
聴きたくなかった哀しい音
一か八かの賭け事なんてさ
優勢と劣勢は時に反転する
不動の三日目と夜の来訪者
運命の四日目を迎える前に
遠い空すら覆って血は躍る
濡れた頬で温もりを感じた
死地を切り開くために笑え
誰もが命と命のやり取りを
血が滴るほどの怒りだった
その惨劇を人は地獄と言う
完全勝利と離別、それから
最初からきっとこれは運命
歯車が軋み始める音がした
紀元前236年
鄴攻略戦
想いも願いも一矢に乗せて
夢への一歩を踏み出す準備
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