夢で終わらない泡沫
Chapter.1
無でもウィスタリアでも
犬よりも優れた
出口のある迷宮
蜜の詰まった毒林檎
温かい海に沈んでしまった
Chapter.2
まだまだ底にはつきそうもない
揺れるページェント
火照りは深海へと吸い込まれた
革命前夜の鐘が轟く
Chapter.3
移ろう蒼のハウツー
咲き誇る海のアネモネ
相反する毒の花
ペテン師は水面で踊る
夢の散亡
届かない音、さざめく波
珊瑚のゆりかご
共存するアクアリウム
メールブルーで息をする
Chapter.4
葉末に落とす雪化粧
浅瀬の蛍
シヤージュ・ホリック
あべこべの硝子の奥
臨海で綿毛を贈り合う
Chapter.5
その嘴で一度砕く
未熟な果実の真似をする
甘くて淡い忠告
徒花を枯らす魔法
黙って、アルタム・エンゼル
砂があっても同じこと
薄明光線が降りきらない
限りなく春に近い
不透明な雪解け水
甘い甘いひとさじの砂糖
体温で溶かす背徳感
二度目のあでやかな深淵
ミモザは私に託された
果樹と宝玉のカンパニュラ
茨を削ぎ落とせば触れられる
青を通した違う眺望
Chapter.6
幽香まで満たしている
どちらも愛しか籠っていない
スウィート・スウィート
与えられたり与えたり
喉まで焼けつくような
硬いだけの現下
水槽での観賞の最適解
トロイメライにいざなう
同じように回るだけじゃない
空洞の錨
アンデッド・コニー
金平糖の蕾
歪みない琥珀
アベリアが微笑んだ
泥のように変化する
自生するダリア
バターと蝋燭
Chapter.7
霞よりも満たされる
溶解点の手前
実桜を結ぶ
花と夜の芳しき円舞
滄海想起
オーバーライト
波間の閃き
月下美人
微睡みの翡翠
鳩の血と余韻
夢の幽閉
蒼穹の凪に滲む
黎明の終わり
泡影余光
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